メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

やっぱり好きになれません、policeman  後編

思うに

女は50歳あたりから70歳代が

男から最も嫌われる年齢じゃないかと思う

 

だいたいのことを経験しているから

仕事でも家事でも人付き合いでも

そこそこ上手くたちまわれる

 

口が達者で、元気そうで

一人でも生きて行けそうだから・・

助けてもらえない

 

一般的に男は若くて綺麗な女を好む

自分が守ってあげないといけないと

思わせるような幼さがあればなお良い

 

 

二年前、スピード違反をおこし

警察車の中で若い警察官に事情徴収された時

私は憤りを覚えた

 

若い警察官は、敬語を使っていたが

語気荒い口調で一方的に話し

態度が威圧的だった

私の問いかけにはまともに返事しない

 

若いモンに馬鹿にされた、チクショウ

やり取りを録音してやれば良かった

 

警察車から解放された後で

怒りメラメラだった

 

そしてこのたび

放置駐車違反(右側駐車)のため警察署に出頭中だ

 

若い警察官が係のようだ(仮にA君と呼ぼう)

黒いジャンパーを着ている

パーマをかけてはいるが、顔立ちは幼い

 

対する私は相変わらずすっぴんでシワだらけ

安物のピラピラのジャンパーをはおっている

 

恫喝されるかもしれないのでやり取りを録音したいが

やっぱりそれは勇気がない

 

スマホの「右側駐車違反」の画面を出してテーブルに

置いた

A君の言動はすべてメモするつもりでテーブルの上に

チラシを置いた

これはA君にプレッシャーをかけるための道具だ

 

転んでもただでは起きぬ、

ブログネタにする

 

A君の視線がスマホに向く

A君「それでわかりましたか?」

 

私「左向きにしていたら良かったんでしょうか」

A君「現場を見ていないからわかりません

駐車禁止の看板はなかったですか?、横断歩道の手前も

だめです、他にも〇〇〇・・」

 

スマホの画面を見ると、駐車した場合、3・5mの余地が

必要と出ている

私「3・5mあるか計らないといけないんですか」

 

面倒くさい

この場合、正しい駐車の仕方を書いたイラスト入りの

説明書をさっと出すべきでは?

この場で飲みこめたら、再犯のリスク減るんじゃない?

 

A君「お仕事は?」

私「無職です」

 

どこに行っても必ず職業を聞かれる

職業の有り無しって人物像をつくりあげるために

重要なポイントになるらしい

 

A君「・・で、どんな理由で滞在していたんですか」

私「友人宅に遊びに来ていました」

A君「そこに車庫はなかったんですか」

私「ないですよ」

 

警察官と対面する時、舞い上がったまま

口を開いてはいけない

 

彼らは何気ないふうを装い、個人が知られては

まずい情報を誘いだす

 

例えば私がヤクチュウで、友人宅はヤクノバイニンで

あるとしたら・・・

彼らの問いかけに対し、一呼吸おいて返答した方が無難だろう

 

小刻みに震えてはいけない

目をきょろつかせてはいけない

署内ではどうどうとしよう

 

私「今後のために、あの付近で有料駐車場があるか

教えて貰えますか?」

A君「そこまで僕らは把握していません」

 

そこは突き放すんかい

金だけとって教育指導はないんかい

 

私「罰金いくらですか?」

A君「一万五千円です」

私「点数は?」

A君「二点です」

 

痛い、とても痛い

無収入には痛い出費だ

 

A君「ここ何年かで他に違反していますか?」

 

スピード違反したことがあるし

その前は免停を食らっている

点数はどれだけ残っているのだろう

 

車がないと生活できない田舎では

罰金よりも免停、免許取り消しの方が

恐怖だ

 

上を見上げると壁際に大きなテレビが備え付けられていて

映像が流れている

夜にいったい誰がこのテレビを見るんだろう

 

気になるのはA君の後ろの壁の大きな油絵だ

いったい誰が描いたんだろう、寄付?

または絵心のある署員が描いたんだろうか

 

首を伸ばして、絵の下にある作家名を見ようと

したがA君の身体が邪魔で見えない

不審そうにA君が私を見ている

 

愛想の良い警察官っていない

取り扱う仕事が仕事だから

笑顔は禁止なんだろうか

 

A君「ここに指紋を押してください」

青い紙の下に名前を書き、隣の印と記した場所に

左ひとさし指でと言われてた

 

テッシュで指先を拭いていると

A君が手を出し、「捨てます」と言う

私「結構です」

小さい抵抗だ

 

私「困った、もう友人宅に行けないかもしれない」

A君「調べてみましょうか

有料駐車場があるかどうか」

 

地図には家の所有者名が記されている

恐ろしい個人情報だ

結局、有料駐車場は見つからなかった

 

腹立たしい

腹立たしいまま警察署を後にした

 

腹立たしいから自宅への道がわからない

 

コンビニを見つけ

そこで一息ついた

 

指紋をとられたのが腹立たしい

あれもデーターベースにのるんだろうか

印鑑じゃだめだったんだろうか

印鑑持ってなかったのが腹立たしい

 

 

有料駐車場を把握していないA君にも

腹が立つ

私が若くて綺麗で幼い感じなら

もっと真剣に耳を傾け

地図も丁寧に見たんではないだろうか

 

後日

駐車違反は出頭しなくても良い事を知った

 

出頭することで運転手を確定され

違反点数が課される

自宅に郵送されてくる反則金納付書で

反則金を収めるだけで事は終了する

 

慌てふためいて、警察に出向き

個人情報をとられ、点数を加算され

バカヤロウだね

 

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やっぱり好きになれません、policeman  前編

市内にある料理教室へ

往復3時間かけて通っている

 

帰りに久々友人宅にお邪魔し

夕飯をご馳走になることになった

 

友人宅は住宅密集地内にあり

道順を間違えると迷子になる

 

県道を左折し、三番目の四つ角を右折し

左右に並ぶ家並みの右手側に

友人宅がある

右側に車を寄せて友人宅玄関前に駐車した

 

年金と節約について多いに盛り上がった

夜10時過ぎ友人に見送られ

家路に向かった

 

5分も走れば車道専用道路にでるから

ハンドルさえ握っていれば

一時間半後には自宅に着く

・・・はずだった

 

フロントガラスの左側に何かが付いている

何だろう?

紙みたい

嫌な予感がした

 

車を左側に停めて外に出て紙を見る

「駐車違反」の文字が目に入る

血が抜ける感じがする

見なかった事にして、このまま帰りたい

 

「節約は家からでないこと!」友人と

笑い合った10分前の楽しいひと時が

ぶっとんでいく

 

黄色の紙に交番名と電話番号が記されている

 

「もしもし、あの駐車違反した者ですが」

「はい、今から〇〇署まで来れますか?」

電話の声は丁寧で明るい

 

「行ったことはないけど・・ナビで行きます」

 

黄色の紙をじっと見つめる

放置駐車違反(右側駐車)

 

しょんぼりして車を発進する

 

友人宅には何回もお邪魔している

路上駐車違反になるかなと

最初は気がかりだったけど

大丈夫だったのに・・・

 

もしかしたら車を左向きにしていたら

見逃してくれていたのかな?

 

あのあたりは車を停めれる空き地がない

これからも遊びに行くから

ちゃんと停めて良い場所を聞いて帰ろう

 

罰金はいくらだろう

スピード違反みたいに危ない事をしたわけでも

ないから、8000円くらいかな

 

いろいろ考える

15分程走るとナビが

「目的地周辺です」と言う

 

警察署の玄関に一度入ってから

免許証を忘れた事に気づき車に戻る

 

玄関が開き、警官がこちらを見ている

不審者と思ったのかもしれない

 

真顔で警官に近づくと

「右側駐車違反って知ってますか?」

見れば若そうな警官が私に問いかけてくる

 

「気が付きませんでした」

「違反用紙は?」

「車に貼ってありますよ」

「持って来て下さい」

「え?、あれ剥がせるんですか?」

 

再び車に戻ってフロントガラスの用紙を

剥がしてみる

ぴったりくっついているけど

簡単に取れた

 

あっ、記念に違反用紙の写真とっておこう

 

壁に用紙を張り付け、スマホをかざしていたら

風で用紙が飛んでいって見当たらなくなった

 

夜11時、あたりは暗い

歩いたりしゃがんだりして探していたら

さきほどの若い警官が側に寄って来て

「何しているんですか!」

「紙が飛んで行って、探してます」

 

ますます不審者に見えたかもしれない

車の足元にひらひらしていた紙を警官が

たやすく見つける

 

「これじゃないですか!」

警官は自らは拾わない

不審者に隙を突かれてはいけないいけないと

思ったのかもしれない

 

やっと警察署内に入る

 

若い警官がコーナーにある椅子を指して

「こちらで待ってて下さい」と言って

ひっこんだ

 

でっかい警察署だ

 

3人程の警官が電話したり

伸びをしていたり、書いていたりしている

 

全面カウンター式でガラスはない

 

武器を持った悪い奴がきたら

簡単にカウンターを乗り越えられるぞと

懸念した

 

一本のさすまたが立てかけてあるが果たしてあんなので

戦えるかしら

 

これから行われるであろう事務処理を

書き留めておかなければならない

カバンにはあいにくチラシしか入っていない

 

若い警官がA4程の資料を持って

テーブルの向こう側に坐る

 

年寄りだと思ってなめんじゃないよ

 

若い子が相手だといつもこらしめてやるっていう

私の悪癖が舌なめずりを始めた

 

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お悔み覧を読み、故人を偲ぶ

我が家は中日新聞を購読している

 

新聞の中ほどに「お悔み覧」がある

お亡くなりになった方がたの

紙上における最初で最後のメッセージだ

 

一人およそ100文字でまとめられている

①漢字の名前

②ひらがなめい

③死亡日時

④年齢

⑤自宅住所

⑥通夜日時、場所

⑦葬儀日時、場所

⑧喪主名(漢字名、ひらがな名)

⑨故人の人柄

 

私が住んでいる地域には古い習慣がある

 

例えば、故人が

職場の人間の関係者なら

直接お付き合いがなくても

香典を準備し、時には通夜に行く

 

また、もらったほうも我が家に不幸があれば

香典返しをしなければならない

 

だからいつもお悔み覧を見る必要がある

 

お悔み覧は故人を物語る

 

ーーー

 

新聞のお悔み覧に掲載されている故人の

名前(漢字名)が目に入る

 

読めない時は親切にひらがな名が続くから有り難い

昔、ポピュラーだった寅吉さん、貞蔵さん

ハナさん、キクさんといった名前はもうない

 

現在は〇〇子さん、〇雄さん、〇夫さんとか

いった名前に変わりつつある

 

時に漢字一文字だったり、読めない漢字名だと

きっと良い所のお嬢さん、お坊ちゃんだったのかなと

推測する

教養高い親が名付けており

そしてそういうお家は金持ちだ、多分ね

 

名前にイチが入っていると長男で、ハルだと

4月生まれかななんて・・

 

名前って大事だ

時代の流行りを知ったり、誕生した我が子に

対する親の想い、期待、夢を推測できる

 

次に故人の年齢を読む

若い方だと悲しくなる

病気か事故、自死・・

 

そして故人の喪主名が親であったら

親の方の悲嘆、ご苦労であっただろうと

胸がつまる

 

最近では

通夜葬儀終了となっている場合も多い

 

忙しい現代人は何事も早く済ませたい事情がある

故人を偲ぶのは近親者だけで良いと割り切っている

 

知り合いの知り合いの知り合いなんていう

ほぼ他人という方に挨拶するのも遺族にとっては

煩わしいだろう

 

最後は遺族が知る故人の人柄でしめくられている

 

頑張りやさんでした

優しい子でした

働き者でした

カラオケが好きな明るい人でした

友達おもいの人でした

料理上手でした、世話好きでした

お話上手でした、真面目でした

孫のためにアイスをいつも用意してくれました

等々

 

故人の様子を知る事が出来る

最後の行が好きだ

故人に親近感がわく

 

 

この世に生まれ、生き、逝ってしまった

故人の方がたの記録と記憶

たった100文字だけど

ありがとうございました

 

ちなみに亡き母の人柄を新聞社に聞かれた時

「おしゃべりで好物は饅頭でした」と話した

 

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同窓会とは記憶のパッチワークだ --後編ーー

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小学校卒業して50年、初めて同窓会が行われた

 

鼻たれ小僧や脱脂粉乳が飲めなくて泣いていた子が

ビールをいっちょまいに飲むのが

可笑しい

 

 

 

同じ時間、同じ経験をしていても

個人によってその記憶は曖昧だ

 

たしか私の記憶では

①小学校二年生あたり、同級生のK君が

自動車に接触し、頭から血を流し泣いていた

 

②女先生に引率され、数名でK君の見舞いに

町の病院に行った、川が氾濫していた日に

 

③女先生の家でとろろのおにぎりを食べた

 

以前、幹事会でその思い出を喋ったが誰も事故の事も

お見舞いの事も知らないと言っていた

 

・・・オカシイナ、事故現場を私は見たし

おにぎりは最高に美味かったのに・・・

 

 

同窓会でみんなにその記憶を話してみた

 

テーブルの端に坐っていたT君と向かいのM君が

「俺、見舞に行った」と手を上げる

 

私の夢ではなかった、事故は本当にあったんだ

 

隣のやんちゃ坊主S治が笑いながら言う

「俺、そん時、川に落ちた」と

 

あぁ、それで先生のお家にお邪魔したんだね

・・ということは、お見舞いに行ったのは

私とT君、M君、やんちゃ坊主のS治の4人だったんだ

 

記憶が繋がった

 

みんなの関心は本日欠席のK君が

「今、どうしてる?」だった

 

K君の母親は早くに病死し、継母に育てられたが

K君はぐれて、実家と疎遠になっているらしい

 

父親と継母の間にできたK君の腹違いの弟さんが

跡継ぎとなったが

その弟さんも実家を出たとか・・

 

K君は父親の葬儀にも出席せず

家族の歯車は噛みあわなかったようだ

 

S治「若い頃は一緒に飲んだけど、K君は

酔うと愚痴が多くて、綺麗な男なんだけどな」

 

I君「K君はいつも年上のばばぁがくっつくんや

綺麗な男だから」

 

綺麗、綺麗と連発するから

確認しようという流れになった

 

幹事が用意してきた卒業アルバムがテーブルを

回り始める

 

「えー!、白黒写真!」

「俺は?、俺どれ!」

「これは誰だ!」

「チョビ髭の、こんな先生いたっけ?」

「6年の時の担任、生きているかな?」

 

K君はどこかにいってしまった

 

アルバムの影響は大きく

頭をくっつけあいながら、笑いながら

盛り上がる

 

トイレはボットントイレだったとか

登下校時、靴はいていたけど、校内は裸足だったとか

 

潮干狩りしたら、獲物を教室内のストーブの上で

焼いて食べたとか

 

小学校の前の駄菓子屋にみんなが行ってしまい

教室が空になって、先生が怒ったとか

 

チョークを投げる怖い先生がいたとか

誰かが小便ちびってたとか

 

それぞれの記憶の断片が繋がり出す

 

みんな孫がいる爺ちゃん、婆ちゃんなんだけど

全員集合記念撮影では

身体を寄せあい、頭をこずいたり、ポーズに凝ったり

大はしゃぎだ

 

写真って大事

記憶を呼び起こしたり、つないでいくのに

有効活用できる

 

断捨離が流行っているけど

アルバムの処分は最後にしたほうが良いかと思う

 

 

町内会の都合で欠席となったタクちゃんからの

差し入れの酒があって良かった

みんな大酒飲みで予算オーバーになるとこだった

 

 

やんちゃ坊主のS治が大声で叫ぶ

「おい、次回の同窓会、いつする?

 

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同窓会とは記憶のパッチワークだ   --前編ーー

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二次会のスナックで見かけたウオッカ

「可愛い」と言うと、ママが「持ってけ」とくれた

 

 

小学校を卒業してはや50年

初めての同窓会が一月下旬に地元の居酒屋で行われた

 

同級生17名、鼻たらしていた一年から

六年間をずっと同じ教室で学んだ

 

道に馬車が行き交うのんびりした時代

 

男子は坊主、女子はわかめちゃんカット

みんな誰かのお古を着ているのが当たり前

 

写真撮るぞと言われると緊張のあまり変顔になる

 

山と田んぼに囲まれた小学校、近くに海があったから

理科の時間は潮干狩りが常で、下校時には

葉っぱを吹いたり、野草をつまみ食いしたり

木に登ったり、遊び道具は見える物すべてだった

 

小学校

自然と遊び、ただ無邪気だった

 

 

・・・・そうだった?

てばなしで楽しかったと言える?

 

ん~~、50年前の事なので記憶がおぼろげ

 

ーーー

 

同窓会前日

朝から忙しかった

 

やんちゃ坊主だったS治が7時に電話してくる

「俺の泊まるところ予約とってある?

当日は迎えに来てくれよ」

相変わらずやんちゃだ

 

さぁ、参加者全員に時間、場所のご案内をしなければ

 

もともと同級生が少ないんだから

忘れていて、来ないなんて事態は

一人でも避けたい

 

発信音の後に聞こえてくる同級生の声は

年甲斐もなく若かったりする

 

息子さんかと思うと本人だったり

本人かと思ってたら息子さんだったり

声質って変わらないね

懐かしいわ

 

二次会も飲めるとか飲めないとか関係なしに

場所と費用を伝えていく

 

「待ってるからね」と最後にささやいてから

電話をきる

 

寂しいご老人と電話でお話するというバイトでもあれば

案外イケルと思うわ、私

 

町内会会長職についたため、急遽、同窓会不参加となった

タクちゃんから電話だ

「明日の昼、詫びの酒と手紙を店に持って行くから」

 

酒なら、町の酒屋に配達して貰えば良いのに

手紙はもっと早くに郵送で済ませれば良いのに

わざわざ一時間かけて持って来るなんて

要領悪いなタクちゃん

 

正直に言うと怒られた

 

本当は店でタクちゃんを待ち、昼飯くらいご馳走すれば

良いのだけど

それまでに顔の準備が整わないと思うし

昼寝もしたいし・・

 

夜は幹事たちと段取りの最終打ち合わせをした

 

どうしてもこの同窓会を成功させ

継続に持ち込みたい

 

だって

暇なんだもん

友達が欲しい60代

 

ーー

 

同窓会当日、欠席者が一人でたと連絡が入る

 

慌てて居酒屋に鍋及び刺身の減量をお願いする

もとからカツカツの参加費なので

無駄にお金を使いたくない

 

記念撮影のためのカメラの点検、タクシー料金表作成

参加費お預かりグッズの準備、着て行く服はどれ?

いろいろ作業が残っているけど

同窓会に備えて昼寝、体力ないからね

 

鏡を見る

いつの間にこんなシワだらけになったんだろう

風呂からあがると幾分、シワがのびる

入浴効果に感謝し化粧をする

 

自宅から町の居酒屋までの途中で

同級生たちを乗せ、S治の泊まっている宿に着く

奥さんが用意したであろうお洒落なセーターを

着ている

 

S治の実家は近くにあり、宿をとらなくても

いいはずなのに・・

「実家?、泊まらん、兄貴の嫁が嫌い」なんだと

 

居酒屋で同級生たちがテーブルにつく

無意識に座るその位置は

同級生各々の地位や心情が分かる気がする

 

S治はもちろん、真ん中だ

彼は昔から明るくムードメーカーだからだ

 

仕事の関係で遅れて来る者がいるが

まずは乾杯

 

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田舎にある空き家を2700万円かけてリフォームし、引っ越ししてくるという人達を想像する

 

茶の間から海が見えるのが好きだ

 

遠くで水族館から逃げ出したと噂のイルカがジャンプしていたり

村の老人が漁をしていたりする

 

二階に上がり、窓から海を眺めれば

はるか向こうにある小さな島の集落さえ見える

 

田舎の良さっていうのは

この雄大な自然かなって思う

 

でも田舎暮らしは都会に比べると不利、不便だ

 

まず、名医に会えない

名医は都会に住んでいるから

病気の時は、このあたりの迷医に診てもらうしかない

 

田舎は車がないと生活できない

通院するにしても食材の買い出しでも

町まで行くには車が必要だ

 

田舎は人口が少ないから文化芸術面でも劣る

気の利いたサークルがない

人気アーチストが来ない

 

外人と喋る機会がないから

いまだに英語が話せない

 

娯楽施設がない

 

冬は雪かきで腰を痛める

 

我が家は築100年、老朽化が激しく

隙間風が吹きすさぶ

 

客が過ごす茶の間だけでも

リフォームしたいと考えている

 

そこで

古民家リフォーム内覧会に行ってきた

 

山と川に囲まれたでっかい二階建て一軒家

 

内覧会って見学者一組に対し、一人社員がついて

案内するらしい

 

私についたのは若い娘で、こんなんどうとでも

やりこめてやれる

年寄りだと思ってなめんなよっ

 

まずは外壁から若い娘がオビえそうな質問をしてやる

「この素材は何?、メリットとデメリットを教えて」

 

カタカナを言いはなつ事で満足しているので

若い娘の返答は聞いちゃいない

 

玄関に入いる前に、また聞いてみる

「地盤調査は会社でやってくれるの?」

 

ねっ、馬鹿じゃないのよ、用心しろって

アピールする

 

玄関戸は大きな引き戸だった

和風建築のここが好き、何回も開けたり閉めたり

 

トイレも風呂場も広い

最近はやりの洗濯室、その場で干せるようになっている

足腰が弱ったら、これは便利な一室だ

 

キッチンは調理台がやや高めの作りになっている

「依頼主の奥さまは身長が高いんですね?」

かまかける、若い娘は曖昧な笑顔を見せる

 

キッチンとダイニング、リビングが縦並びに続いている

広いお家だったようで天井も高い

 

「築60年らしいです

柱とか天井、戸はそのまま残しています」

私が好きな和モダンってやつ

 

壁紙が白で統一されている

床は紫がかったグレーの板だ、踏むと柔らかい感触がする

 

リビングの横に和室があるようでふすまの色もまた

紫がかったグレーだ

 

リフォーム前の空き家だった頃の家の中の

写真が壁に投影されているので

現在の様子と比較できるのでわかり易い

 

「デザインはどういう形式で依頼主に提供するんですか?」

「建築デザイナーが模型や画像をお見せする形で」

 

「うちにワンコいるんですけど

ソファにおしっこする子で、この床板は水に強いですか?」

「水を吸収する材質なので・・・、

ワンコの場合は通常のフローリングがよろしいかと思います」

 

リビングを出ると広くて長い廊下に出る

(縁側のこと、昔は縁側から出入りしたし

縁側でご近所さんとお茶する習慣があった)

 

外からの日差しがペアガラス戸に良く当たっている

「一枚、いくらですか?」

「17万円くらいです」

20枚ものペアガラス、いったいいくらかかったんだ

 

「リフォーム代、だいたいいくらですか?」

「2700万円くらいです」

 

この空き家だった家は、金持ちだった思う

昔の画像に高価な欄間が見える

 

「二階も見ますか?」

「見ても良いの?」

 

階段が狭くて、急だ

「これどうにかならなかったんですか!」

 

二階に住むのは足腰達者な若夫婦だろ

それにしても傾斜の激しい階段

 

デザイナーさん、ここで手を抜いたな

・・・てか大掛かりな工事になるから

依頼主さんがびびったか・・

 

二部屋あったが、床も壁も白で統一されている

どんだけ掃除好きなんだ

 

「家具はまだセットされていないんですね」

「3月にお引越しされるようです

三世帯でお住みになるらしいです」

 

一家の誰かが定年退職したんで、大金が入ったんだろ

 

そのまま都会に住んでいた方が便利なのに

ちょっと畑でも作りたかったんだろうか

海で釣りでもして余生を過ごしたかったんだろうか

 

でも孫の教育はここでいいのか

少子化で学校閉鎖が多くなったし

大学は近くにないぞ

 

旦那と一緒に来る奥さんが気の毒だ

田舎にデパートはないぞ

 

そもそも高齢者ばかりで、数年後には滅びる

土地かもしれないよ

 

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小学校の同窓会と町内会の新年会を天秤にかけた奴

小学校の同窓会をやろうという声があがった

 

11月に案内状を発送して

12月に集計した

 

ど田舎の小学校なんで同級生は17名しかいない

行方不明者、2名

欠席者、2名

出席予定者、13名

 

宴会場に鍋を注文し

二次会の場所を決めて

日帰りできない者には宿を手配した

 

司会係、会計係、撮影係を決め

当時の写真や文集を探し

どんな段取りで進めるか話合いを重ねた

 

後は、同窓会が開催される1月下旬、当日まで

生きている事だった

 

何しろ60代なんでいつ死んでも

おかしくない

ーーー

 

裏切り者がでた

クラスで人気者だったタクちゃんだ

村を離れて、市内で暮らしている

 

携帯にタクちゃんの電話番号が表示される

 

タク「ごめん、俺、悪い、同窓会行けなくなった」

私「どうして?」

タク「町内会の会長になったんや

新年会があって、町会議員も来るから

どうしても抜けられん」

 

人は心の中に天秤棒を持っている

 

同窓会と新年会を秤にかけたんだ

 

奴は過去より

未来を取ったんだろう

 

記憶をほじくりかえすことより

名声を得る事を良しとしたんだ

 

タク「なんとか日をずらせないかと

頑張ってみたけど、ゴメン」

 

順番でいえば、同窓会の方が先に決まってたのに

後から出て来た新年会を優先するって・・

どうなん!

 

雑魚の相手してられんっていう事か!

 

同級生を見捨てたタクちゃんを

追いかける事は気はない

 

私「仕方がないね、幹事に連絡しとくよ

みんな残念がると思うけどね」

タク「俺の代わりに父ちゃんを同窓会に出そうか?」

 

タクちゃんもタクちゃんの父ちゃんもハゲていて

年取ってから、どっちが親か子かわからないくらいだ

 

私「それはバレるよ」

タクちゃんが笑い声をあげる

 

タク「宴会場に酒差し入れしておくよ」

私「うん、みんな飲むからね

あと、手紙とか添えてくれたら嬉しいね」

わかったと言って電話はきれた

 

同級生を束ねる役割のタクちゃんの不参加はけっこう痛手だ

 

残った雑魚たちが

盛り上がって、楽しいなぁって言うように

企画、脚本、演出きっちりやるわよ

 

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