窓にしがみつく女
9時
自堕落な私の起床時間。
トイレに行く途中、窓に人の頭が見える。
しばらく事の次第がのみこめず立ちすくむ私。
子供か?
どこの子や?
こどもはじたばたと動いている。
ピンク色の服が揺れている。
近くによると、姉だった。
「何しとるん?」
「鍵かかっとらんとこから入ろうと思って」
裏玄関のドアを開けた。
「障子の張替にきた、早いし、あんた寝取ると思って起こさんとこうと
思って」
たしかに。早いよね。障子貼りするには。
姉はフットワークが軽い。
また、姉は忘れ物をよくする。
合鍵も持っているはずだが、家に置いてきたらしい。
姉が帰ったあと、よじのぼろうとしていた窓の外をみたらちょうど庭の石
があるところだった。
次回、姉が窓から入りやすいように踏み台でも準備しようかな。
いやいや、私が早く起きるようにすればいいんだ。