大ちゃんと私、そして母ちゃん
私の一日は愛犬大ちゃんの分刻みの悪戯に
追われる毎日だ。
舐めてくる
うんこ、おしっこどこにでもする
玄関で吠えまくる
私が現役で仕事をしていた今年の春まで
大ちゃんは散歩に連れていってもらえなかった。
不憫な子。
私は今、その埋め合わせをするがのごとく、
大ちゃんをいじり、散歩も行くようにしている。
散歩は良いものだ。同級生と会う。
子猫を見る
村の人から柿、ブドウをもらう。
木々を眺め、季節を感じる。
野花を摘み、花代をうかせる。
時々、大ちゃんのリードがはずれ、ここぞとばかりに
走り出しす犬を追いかけ肝を冷やすことがある。
一度は車道。
一度は自転車をこいで来たオバサンを追いかける。
新しい移住者とお知り合いにもなった。
大ちゃんは自分より小さいチワワの女子犬チョコが苦手。
下むいて、回避する。
チョコは天真爛漫、グイグイおすタイプ。
大ちゃんイヤーって感じで体をそらす。
帰宅すると、少し悪戯行動がおさまるかと思うが
4歳児は元気いっぱい。
ゴミ箱あさり、外でうんこしたのにまた台所でうんこ、
ソファに横たわる飼い主を踏んでいく。
追い払う真似をすると、しっぽを振って戦うぞ姿勢。
新聞見ようとすると新聞の上に坐る。
そんな大ちゃんが今日は何故か茶の間に来ない。
姿を探すと、寝室のソファーのクッションの上に坐っている。
部屋、廊下、台所、茶の間の戸を開け
大ちゃんが来るのを待つ。
(大ちゃんは自分で戸を開けることができるが
閉じることはしない)
16時様子を見に行く。
ソファーにいて、あくびをしている。
ブラッシングしながら触診。
異常なし。
煮干しを見せ、ついてくる足取り観察。
異常なし。
生後3か月でペットショップで買ったが
店員さんに言われるままに入った保険を
未だに契約解除せずにいる。
月2000円。
犬好きのお友達に保険やめようかなって相談したら
「癌になったら治療費高いよ」って言われ
自分でもきりすてる一歩がなく今日に至る。
犬と天秤にかけるのがどうかわからないが
大ちゃん同様に大事なのが母ちゃん。
高熱をだし、絶食になり、衰弱していく母ちゃん。
姉たちと度々の葬式の段取り。
法律で、死亡後24時間は火葬してはいけないらしい。
(生き返るから?)
母ちゃんは数日前から
食事が始まり
昨日は点滴台が消えていた。
状態が良くなったようだ。
人が生きていくための最低作業は
①食べる
②出す
③眠る
健康な人の”食べる”はきっと何処かに出かけて、メニューを
見て、テーブルでお喋りして、お品がくると美味いのまずい
と評価し、今度はどこのお店にするか相談する。
”出す”のは尿意、便意を感じたらトイレのドアを開け、便座に
すわり、終わればウオシュレットで洗浄し拭く。
”眠る” 時間は人それぞれ。 頭を枕に置くだけで眠れる人もいれば
アロマをたき、ヨガをし、お気に入りのネマキを着て
ベッドに入る。
以上の事は日常の他愛ない言動。
寝たきりの母ちゃんは自分では①~③をこなせない。
人の援助がないと生命ランプが赤く点灯する。
”食べる”
必要なのは食べ物を認識する脳と歯と唾液と噛み砕く筋力、飲み込むタイミング。
食べ物は口の中に入ると歯や舌、口周囲の筋肉の共同作業で
細かくなり、飲み込みやすい形状となる。
飲み込む時、口が開いていると、誤嚥しやすくなる。
誤嚥は食べ物が気管に入る事、咳をすれば気管から出てくる。
母ちゃんには以下の援助が必要。
声かけ。これで食べ物だと認識させる。→口をあける。
姿勢を整える。首がのけぞっていると誤嚥しやすい。
もちろん、食後すぐにねかせてしまってはいけない。
噛み砕くだく力がないため食事はミキサー状に作る。
一口ごとに飲み込めたか確認。確認は喉ぼとけの上下運動、
あーと発声させ、湿り声、咳があると誤嚥の可能性がある。
飲み込む時って結構な力がいる。
だから、力が落ちないよう、普段からはなしかけ会話する、
椅子に座らせる、立たせるなどリハビリを継続したほうが
良いと思う。
歯科治療で痛み止めされた後、唇が垂れる、喋りづらい
飲めない・・あんな感じが寝たきりさんの口の状態。
歯って大事な作業を担っている。
”出す”
脳機能が低下すれば内臓、神経の働きも不十分になる。
母ちゃんの場合は下剤のませてもらっている。
そうしないと便秘になるから。
オムツをしている。
おしっこは水分を飲んでいないとでない。
飲む水分の目安は最低でもおしっこと同じ量が必要。
飲む量が不足するとおしっこの色は濃くなる、膀胱炎
おこしやすくなる。お肌も乾燥している。
口の中も乾燥して、ひどい時は舌荒れしている。
おしっこの色を見て、過不足を判断する。
1000~1500ml/日くらいが妥当かな。
食べ物にも水分は、含まれているから、純粋に
飲料水分としては・・・明言しがたいな。
でも水分とるのは大事。
心臓が悪い場合はむくみや咳に気をつける。
”眠る”
口の中きれいにするためガーゼ水で口をお掃除。
ネマキのしわを伸ばす。
体の向きを変える。
手足は見ていて楽そうな位置になるよう適当に
クッションを配置する。
会話は大事だ。 声にしないと分からないから。
楽しい時も悲しい時もかあちゃんの側にいるよ。
帰る時は握手する。
握るチカラの確認だ。