メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

犬にささえられ生きています、私

夜遅い私に付き合い茶の間で過ごす大ちゃん。

 

「寝るよ」と声かけると、待ちくたびれ、          ソファで寝転んでいた大ちゃんが伸びをする。

 

私が筆記道具やメガネ、パソコンを片付けるのを

ソワソワして見ている。

 

茶の間から寝室に移動だ。

大ちゃんのエサ、水の入った器を持つ。

後を追ってくる大ちゃん。

 

寝室に行くが、携帯を忘れたので、引き返す。

大ちゃんも当然、ついてくる。

 

大ちゃんは寝室の前まで来るとしゃがみ込む。

部屋の電気を消さないと

入ってこない。

 

(ゲージに入れられるのが嫌だから・・)

 

大ちゃんは私が寝転んでいると、舐めに来る。

 

それがうっとおしい時があり、寝室の隅にあるゲージに    入れることがあったので、きっとそれを覚えているんだろ。

 

電気を消すと、部屋に入ってくるが、避けるようにして

ベッドに上がり、こちらを伺っている。

(用心しているな・・・)

 

捕まえられるのが嫌な大ちゃん。

 

ソファでテレビを見ながら私は寝るという悪しき習慣がある。

いつの間にか頭の上に大ちゃんが来て、枕とソファの隅で

丸くなっている。

 

唐突にイチペロ、ニペロ、サンペロ、・・布団で顔を隠す。

 

熟睡できず、今日は夜中に2回ほど目が覚めた。

暗闇の中で大ちゃんと目が合った。

 

私は手を伸ばし、大ちゃんの顔、肩、腹、足、尻尾を触る。

横並びで寝ている!。

 

(犬って真っ直ぐになって寝れるんだ!)

 

プチ驚き。

 

朝になり、茶の間に出て行く私を

大ちゃんが追い越し、弾むように走っていく。

その姿勢を私は診る、健診①四肢異常なし。

 

どこにでもおしっこ、うんちをするので

物を探し、色、形、量を診る。健診②異常なし。

 

台所でパンを食べていると、足に手をからませ

私を見上げるまん丸の目。健診③濁りなし。

 

玄関に飾ってある花の世話をするため

玄関に向かうと

散歩と思ったのか、先回りして尻尾を振っている。

(落ち着きなし)

 

玄関を開けないとわかるとスっ転びそうになって

茶の間にもどって行く。

散歩覚えている。健診④認知なし。

 

大ちゃんは陽気で好奇心旺盛、なんでも見に来る、

臭いかぎに来る。

 

小さいストーカーだ。

 

ゴミ箱あさりはやめて欲しい。

ティッシュを持って逃げないで欲しい。

 

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散歩まだ?ってポーズするのやめてくれる?。

 

私は大ちゃんに話しかける。

「アイス食べる?」

「乗るなって」

「散歩行く?」

「大ちゃん危ないって」等々。

 

きっと他人が見たら驚くだろう、私達の様子。

ーーー

大ちゃんは私にとって二匹目の子。

 

最初に飼った犬はテトラポットに捨てられていた子犬。

 

見ていると、かろうじて岩の上に踏ん張っていたが

力つき、ズルズルと海に落ち始めた。

 

(助けると、飼うことになるが、どうする?)

 

瞬間、迷ったが、ザルを持ってテトラポットに降りた。

犬なんか触ったことない、取りあえずザルですくった。

 

家に帰り、風呂で洗った。

タオルで体をふく。

 

何を食べさせていいのか分からず、

冷蔵庫の竹輪を口元に置く。

 

いま思うと生後3か月くらい、竹輪食べなかった。

 

雑誌を読みながらの初めての犬育成。

 

最初は階段上がれなかったが、あっという間に

成長した。

 

飼って数か月経った頃、机や箪笥をかじり始めたので

外で飼う時期が来たと思った。

 

夜見に行くと、段ボールの中でチョコリンと座る、その肩の

幼さが愛おしくて、また、部屋に入れた。

 

(いい、箪笥や机なんてどうでもいい)

 

犬が大事。

 

犬は日本犬の雑種♀、ポチと名付けた。

 

素人の私は、どんな犬に変わるのか楽しみだったが

普通、特徴もない犬のまま大きくなった。

だけど、

どんな集団に紛れても、私はポチを探せる、わかる自身があった。

 

散歩は車で山まで連れて行き、降ろして、走るのを      後方から車で追いかけた。

 

ポチは私にしか、懐かない子だった。

 

仕事から帰るのを今か今かとじっと待っていた。

 

15歳頃、散歩に連れ出すが、足を止めるようになった。

 

みるみるうちに年を取り始めた。

 

痩せていき、自分からは食べなくなった。

 

キャベツやひき肉をゆでた物を手のひらにのせて、

口元まで運んで食べさせた。

そのうち、イヤーって感じで顔を横に向け食べなくなった。

 

排泄は、ポチを抱き上げ、外でさせた。

 

死ぬ3日前から、四肢をばたつかせるようになった。

血を吐いた晩、私は仕事に出かけた。

 

帰宅は10時頃、ポチは硬くなっていた。

 

ひとりぼっちにしてゴメンね、私は泣いた。

 

あらかじめ知人から聞いていたお寺に連れて行った。

死後硬直で足が伸びきったポチを毛布でくるみ、抱いて。

僧侶に「泣いていいですか?」と聞いて

泣いた。悲しい時、涙はこらえない方が良いい。

 

 

お経をあげ、ポチはトラックの中の焼却炉で焼かれた。

 

一時間まち、骨をもらった。

 

遺骨は、仏壇のある床の間に一年間置いていた。

そして、我が家の墓の近くに埋めた。

 

家族は、ポチの使っていた品々を片付けてくれた。

 

17歳だった。

 

ポチのアルバム、ビデオは処分できない。