メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

車がないと生活できないんです。

23歳で自動車の免許証を取った。

 

  教習所に行った初日は模型のハンドルを回す練習をした。

  すぐに、実際に車を走らせる練習に入った。

  手に汗を握り、教習所内を運転した。

  教官は厳しい人もいたが、ハンサムな人もいた。

 

  楽しかった。

  一緒に教習所に通う5~6人の仲間ができた。

  年も職業も免許が必要な訳もみんなバラバラ。

  仲間の運転を見ながら、お喋りする。

 

  自動車学校はどうなのか知らないけど、当時、教習所では

  運転し、坂道でクラクションを鳴らし、縦列駐車して

  一通りの技術を習う。

 

  教官がコツを教えてくれたお蔭で、私は一回で仮免に合格した。

 

  亡き父親がたいそう喜んでくれた。

 

  本免試験を受けるため、初めての自動車専用道路を

  同乗している仲間と交代しながら向かった。

 

  自動車専用だから、どの自動車も飛ばす。

  ビビりながら、運転免許センターに到着。

 

  本免試験一日目は、教習所の車とギヤの場所が違うことや

  足が短くてアクセルに届かないなどの不手際で失格。

  翌日は、座布団持参で、やっと合格し、免許証を取った。

   

  教習所では運転技術しか習っていなかったように思う。

  車の構造やメンテナンス、なにも知らなかった。

 

33歳

 

 母ちゃんが郵便局の貯金が入ったからと

 車を買ってくれる。

 スズキの軽。お値段100万円。

 

 10年間、ペーパードライバーだった私。

 

 20分で着く職場まで40分かけて運転した。

 なにせ、10年ぶりの運転。

 

 後ろの車が渋滞になるたびに、路肩に避難していた。

 

 運転もなんとか慣れた朝10時、前方にいるオマワリさんが

 おいで、おいでとジェスチャーする。

 (なんか事件でもあったのかな)

 

 車を止めると、ガラス越しにオマワリさんの顔が近づいて

 「制限速度オーバーですよ」初めての経験。

  

 ある日は、駐車場で車から降りると、周りに部品が散らばっています。

 

 見ていたお兄さんが「パンクしてるよ、スペアある?」

 (どうりで車傾くなーって、そうかパンクか。)合点しました。

 「スペアってなんですか?」

  きょとんとした表情のお兄さん。

 「車に積んであるはず」

 「見たことないです」

 

  お兄さんが車のどこかのシートをめくると見慣れないタイヤがあります。

 「しかたないな、こうやって、付け替えて・・スタンド行って」

 親切な人だった。

 

 また、ある日は給油のためガソリンスタンドに出かけた。

 

 どこに給油口の装置があるのかも知らない。

 「初めてで分からないんです」

 スタンドの方が窓から手を入れて「ここ、引っ張るんや」

 なるほど。

 

 「サイドミラー傾いてるけど、直そうか?」

 「いえ、見ないから、大丈夫です」

  え?!って感じで驚くスタンドの方。

 

 またまた、ある日は田舎の実家に始めて車で帰る事にした。

 

 街中をはしり、自動車専用道路に進む。

 自動車専用道路は左右に入口があった。

 

 右に入ればいいのか、左に行けば家につくのか分からない。

 信号待ちの間に隣の車の人に聞いた。

 「あの、すみません。どっちに入れば〇〇に行けますか?」

 返事を待っている間に信号が青になった。

 

 車の流れにまかせて、ついて行った。

 入口付近で「しまった、逆だ」と分かった。

 

 料金所のオジサンに「道間違えました」と言った。

 「ここからは引き返せないから、そのまま走って、最初の料金所で

 降りて下さい」おじさんは助けてくれない。

 

 不安で泣きそうになりながら走り回り、なんとか我が家に着いた。

 

 その後も常識知らずだから、ちょいちょいオマワリさんに呼ばれる。

 

 「ここ一方通行、あれ、シートベルトしてないの?免許証は、忘れたの?」

 

 こういう重複する違反の場合は減点が高いのをひとつ取るらしい。

 若い頃のエピソードだから、オマワリさんも優しかった。

 

 スズキの軽は10年たったとたんに調子悪くなった。

 

 

43歳

 

 街で見かけたかっこいい車を追跡する。

 外車だ。

 外車はスタイルが良い。

 

 研修ででかけた街で中古車フェアをやっていた。

 時間があったので、覗いてみた。

 

 ゴルフが200万円で販売していた。

 私がかっこいいと追いかけていた車だ。

 

 買えないこともないが・・迷う。

 

 慣れた感じのお兄さんが「乗ってみます?」と声かけてくる。

 運転席に座ると、お尻を包み込む感じのフィット感。

 外にでて、再度眺めながら、迷う。

 

 そこへ、お兄さんの上司と思われる年配にオジサンがきた。

 

 「かっこいいでしょ。頑丈だから事故っても安全ですよ」等々。

 

 現場を知っているお兄さんに私は聞きたいのに、このオジサン譲らない。

 (・・・ ここで買わないと、これからも買わないな)

 

 実は、とっても気にいっていたのだ。

 

 ゴルフはオジサンが運転してきた。

 (中古だとトラックに乗せてじゃなく、走ってくるんだ)

 

 ゴルフ時代はオマワリさんには一回もお世話にならなかった。

 

 (私、捕まらない)自信さえでてきた。 

 

 ゴルフは体の弱い子で、度々、部品交換、メンテナンス

 お金のかかる子だった。

 

 中古は買うもんじゃないね。

 

 ある日、山道に入る地点でゴルフの底がはずれ、廃車になった。

 

 

現在、北のミサイルが削っていっても、国内では騒がれないような

小さい田舎の雪国で暮らしている。

 

 井上陽水が歌うコマーシャルソングに惹かれ、四輪駆動国産車に乗っている。

 

 この車は黒味がかった紺色で、若干でかいので車庫入れのたびに

 こすってしまう。

 

 スピードは簡単に150くらいまで出る、出した。

 

 そして、この車はオマワリさんの目に入りやすいのか

 度々、スピード違反をくらっている。

 

 今度、捕まったら生活できないところまで追い詰められている。

 

 お願いします、違反しません、ブラックリストから

 外して下さい。

 

 

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