メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

チンネンは優しくて、落ち着いている

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母ちゃんが死んでから、仮通夜、通夜、葬式、後片付け

お布施や各所への支払い、お世話になった方がたへの

挨拶まわり、喪中ハガキ作成と忙しかった。

 

その分、正月は寝腐った。

人間失格的に過ごした。

 

私は、お笑いが好きだ。

予想を超えるやりとりをする漫才が好き。

パンクブーブーは逸材だ。

人は、笑うと息ができなくなることを知った。

サンドイッチマンもお気に入り。

 

母ちゃんの49日法要が近い。

読経後、会食する予定。お客さま20数名。

 

白状するが、こんな儀式は面倒くさい。

個人的には、省略したい。

お金だすから、誰か代わりに応対して。

(ごめんね、母ちゃん、こんな娘で)

 

そもそも、49日法要って何?

 

ネットで調べていたら同級生のチンネンから

電話がはいる。

 

昨年、私が退職し、愛犬の散歩に出るように

なってから、合い、親交が再会した。

 

チンネンっていうのは、小学校の時の彼のあだな。

チンネンと呼ばれる小さいお坊さんがあだなの由来。

つまり、背が低いからついたあだ名だ。

 

みんなに確認したわけではないけど、女子は未だに

あだ名で彼の噂話をしている。

 

女子がチンネンって言っているのを、彼は知っているか

わからない。

もちろん、面と向かっては言わない。

 

「こんばんわ、〇〇君」

「あの、お母さんの貯金の整理始めてる?」

 

母ちゃんは郵便局の保険と貯金を残して逝った。

 

チンネンは郵便局員、喪中ハガキの準備をしてくれた。

また、チンネンも昨年、親を亡くしているため、

儀式にまつわる準備とか、配慮とかに詳しくなっている。

 

「うん、これからボチボチするよ」

書類準備してきたけど、行こうか?

「えー!、ありがとう。犬いるけど大丈夫?

いや、犬部屋に入れとく」

 

我が家の愛犬は、他人に吠えまくる。

好物のアイスを見せながら、部屋に誘導しかけるが

愛犬、察しがいいほうなので茶の間から動かない。

 

チャイムと同時に玄関にダッシュし吠えまくる。

飛び跳ね廻る犬を抱きかかえる。

「ごめん、入って入って」

戸を開けるとチンネンが立っていた。

 

愛犬はソファや机の足元に放尿するので

我が家の茶の間はペットシーツが10か所に

ひいてある。

 

ペットシーツの事に触れないチンネン。

愛犬は私の腹と手で抑え付けられている。

チンネンを見て、唸ったり、ジタバタと手足を動かしている。

 

私は書類関係が苦手だ。

読んでも分からない。

 

父ちゃんが死んだ時も大変な時間を費やした記憶がある。

役場、司法書士屋さんに何度も足を運び

姉妹の印鑑証明をもらいに行ったり、書類記入したり・・・。

 

チンネンは仕事帰りのようで紺色のスーツを着ている。

のりのきいた白いシャツに、青を基調としたストライプネクタイ。

 

愛犬がうるさく騒ぐ。

 

チンネンは持参してきた書類を順番にだして、説明を加える。

「え?わからない、これなんだっけ?」

話を聞いているうちに、混乱する私。

 

付箋を取り出し、チンネンがタイトルを書いて貼っていく。

 

「貯金と保険は別々に申告しないとダメなんだ」

チンネンは子供に言うように、ゆっくりと喋る。

(チンネンは優しいな)

 

「明日、この書類を郵便局に出して、病院に行って入院証明書

提出してきて、郵送して下さいって言ったらいいよ」

「なんか面倒くさいな」

「そんな事、言わない。お母さんが残してくれた

大事なものやろ」

「はーい、了解です」

 

愛犬はテーブルに手をかけ、一緒に聞いている。

「離したら噛む?」

「慣れたみたいだから舐めるよ」

「俺、昔、配達先の犬に手だしたら噛まれた」

噛まれて跡が残った左手のひらを見せる。

 

チンネンは口調も物腰も落ち着いている。

社会人らしく髪もきれいにセットしている。

 

私は日頃からの疑問を聞いてみた。

「オボクサマって何」

母ちゃんの中陰壇に銀杯があり、そこにご飯を載せる。

その意味が分からない。

「ご飯どうぞっかな」

 

チンネンが来てから3時間近く経っていた。

愛犬もくたびれてきたのか暴れ始める。

「じゃ、またね。分からない事あったら電話するよ」

 

チンネンは帰った。

 

チンネンの家庭の事は知らない。

でも年を重ね、色んな経験を積んできている。

職場にも、村でも馴染んでいる。

礼節のある良い大人になっている。

 

チンネン、今年もよろしくお願いいたします。

(男子に確認しよう、チンネンって、今も呼んでいるか)

 

ーー49日とはーー

49日は仏教用語のひとつで、死後49日目のことをいいます。

 

宗派によって若干違いはありますが、この49日の間に極楽浄土

に行けるかどうか「お裁き」が行われるといわれています。

この「お裁き」は、一度ではなく、7日ごとに7回あります。

そのため、遺族は7日ごとのお裁きの日に法要を営み、故人が

極楽浄土に行けるように祈ります。

 祈ることで故人の善行を足していくという意味で・・(略)

 

閻魔大王六文銭を渡して三途の川を渡り、極楽浄土に行く」

(母ちゃんが死んだ時、紙紙幣が書かれたカバンをぶらさげたのは

閻魔大王わたすお金だったんですね。)

 

三途の川、

死後7日目に渡るという、冥途にある川。

三つの瀬があり、生前の業によって、善人は橋を、軽い罪人は

浅瀬を、重い罪人は流れの速い深みを渡るという。・・・(略)

 

 

浄土真宗は「臨終と同時に極楽浄土に往生する」、つまり

49日は供養ではなく、故人を偲び、仏教に親しむ期間とされています。

     (以上、ネットより、所説色々あり、適時抜粋)

 

 

 

 

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