メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

ノーブラでお邪魔します

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細い首の華奢な方が巻くマフラーは

愛おしさが増す。

温かい所に案内してあげたくなる。

 

デブが巻くマフラーは

ゴジラの首のようになり

戦って来いと外にだされる。

 

寒波厳しく、人生において初めてマフラーを

首に巻く。

 

このマフラーは数年前、セーターを買った時に

おまけのようについていた物。

 

私には不要のもので、使う事なく

放置していた。

 

たまたま、箪笥の奥にあるのを見つけ

首を絞める要領で、両端は胸の位置。

 

横幅15㎝たらず、厚みもない。

鏡で見ると、首が見え、もさっと感がない。

 

「使えるね、これ」

以後、24時間首に巻いている。

 

我が家は、今年、茶の間の畳をフローリング

に変更しようかと考えている。

憧れの洋式スタイル。

 

でも、石油ファンヒーター、エアコン暖房

両方使っているのに茶の間の床は寒い。

 

「床暖房にした方が良いのかな」

かなり、費用がかかるとか・・。

 

そこで、昨年、増改築したMちゃんのお宅

拝見することにした。

 

Mちゃんとは、ソフトボール部で知り合い

以後、友情を継続している。

 

キャプテンというのは、メンバーの

こころのより所。Mちゃんはキャプテンだった。

 

Mちゃんは優しくて、気配りできる人。

私は、相談事があるとMちゃんに意見を聞く。

 

「明日、用事済んでから、お邪魔してもいい?」

「いいよ、待ってるよ」

メールでアポをとる。

 

Mちゃんは忙しい。

家事以外に孫の面倒がある。

 

当日、遠出してお気に入りのケーキ屋さんの

ショウウインドウを物色する。

 

フルーツケーキ、苺ミルヒフィーユ、皮目

ばりばりシュークリーム、チョコレートムースなど

 

Mちゃんの家族構成を考え、スイートポテトを

手土産に買った。

 

さぁ行くかとハンドルを握るが、ブラジャーが

きつくて、息苦しい。

緩めのブラジャーのはずが・・・。

 

サービスエリアのトイレでブラジャーを外した。

上着は紺色の3Lのシャツ、ふわっとしている。

 

マフラー巻いて、両端を引っ張っていれば

ばれないって。

 

Mちゃん家は、市内にあり、住宅密集地。

似たような家が並び、いつも迷子になる。

 

路地に入ると雪の塊があり、車が揺れる。

Mちゃん家らしき家発見。

 

玄関の雪が少ない所に、駐車する。

「着きました」電話をかける。

 

Mちゃんが玄関から出てくる。

この路地は車の往来があるところ。

 

Mちゃんは、私の車の運転がへたなのを

知っている。

 

M「まぁ、いいか、もう少し後ろに下がった方が

  いいんだけど」

私「無理!」

 

新居に上がるさいに手土産をわたす。

M「なに買ってきたの?重いよ」

私「子供たちの分もあるよ」

 

リビングダイニングの炬燵に旦那が入っている。

旦那には、競馬を教えて貰い、最近は年金の話を

聞いていた。

 

M「すごいことになっている

  スイートポテトぐちゃぐちゃ」

私「えー!本当だ」

 

転がしたと思うほどポテトが、重なり合っている。

私「形悪くなったね、でも味は同じ」

 

そそくさと炬燵に入り、布団を胸まであてる

炬燵の中に触れる物体。

シーズーのミントだ。

 

腰が曲がりすっかり老犬になっている。

ミントは元気な頃、私が来るとはしゃいで

動き回る子だった。

 

この子はMちゃん一家のアイドルだった。

私「ミント!、元気だった?」

 

ミントが炬燵からヨロヨロと出てくる。

右目が白い。

 

M「目見えないみたい、耳も遠い」

ミントは何するわけでもなく、布団の上に伏せる。

 

M「駄目かなって思ったけど、元気になって食べるように

  なった。毛も伸びてきて久々にカットもして来た」

私「背骨ゴツゴツしてるね」

 

夫婦は2階で暮らしていたが、足腰が悪い事から

一階の大改装をした。

 

リビングの奥の戸を開けると、風呂場、トイレ

寝室、ウオーキングクローゼットなどが設置されている。

将来、車椅子生活になっても暮らせるようだ。

 

私「床暖しなかったの?」

コーヒーと菓子を持ってMちゃんも座る。

 

M「必要ないよ。炬燵で良いよ」

私「家、エアコンとファンヒーター使ってるけど

  寒くて、ここんち電気代いくら?」

旦那「1800円くらいかね。夜は暖房消すよ」

 

リビングは暖かく、マフラーをはずしたくなるくらい。

(だめよ、だめだめ。)

 

私「えー!、寝る時もずっとエアコンつけっぱなし

  寒いから」

M「電気代いくら?」

私「三万7千円くらい」

旦那「それや、夜中はエアコン消せ」

私「ここんち、なんアンペア?うち60」

 

夫婦でマイホーム説明書を読んでいるが

わからない様子。

 

M「お母さん亡くなって、精進料理してた?

なんか、痩せていないけど

 

私は通夜の日から焼き鳥食べに行ってます。

 

M「私、今、ジム通っているよ

  筋肉つけないと、膝弱るからね」

そう言ってジムのパンフレットを見せてくれます。

 

私は老眼鏡をこっそりカバンから出します。

カバンの中のブラジャーを見られないように

 

うっかり伸びもできません

マフラーの位置がずれると困ります

時々、マフラーの両端を整えます。

 

私「雪すごいね、ここって除雪車でないの」

旦那「昔はあったけど、今じゃ各自や」

 

M「旦那、雪かきして腰痛めたの」

旦那「みんな年寄りばかりで、誰も雪かきできない

   隣の隣は自衛隊なんだけどな」

私、M「そんなん関係ないって

 

お邪魔してから3時間もたった。

帰る支度をする。

 

マフラーをのばす

 

Mちゃんが「持って」と奥から

白い紙カバンを持ってついて来る。

 

中に赤い包装紙(チョコレートでは?)

旦那がいくぶん首を伸ばして、見ている。

(良いのかな、バレンタイン用では?)

 

玄関におりるとMちゃん、さらに「ちょっと待って」

今度も、白い紙カバン。

(さすがにもういらないよ。)

 

「持ってって」「いいって」カバンを押し合う。

中を一瞬みる、リビングにでてたお菓子の余り物だ。

 

「もらう。じゃ、またね」

車をだすのを見送るMちゃん。

 

ごめんね、接待してもらったのに

ノーブラで。

 

床暖はやめとこう。

 

 

 

 

 

 

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