メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

あなたに会うために生きてきた

 

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私は、標準体重より20Kgオーバーのデブ

 

退職を機に痩せるぞと奮起したが

運動が嫌いなため、現在に至る

 

細身だった頃の知り合いに会うと必ず言われる

どうしたの!?」

 

白米を控えたり、夜遅くは食べないとか

心がけているが、反動で深夜に菓子をむさぼり食うと

いう事態を起こしている

 

太極拳を始める事にした

家で楽な服装でゴロゴロしたい

 

それで、〇ニ〇ロに出かけた

ジャージを買うために

 

デブなので3Lが良い、色は黒

そう決めていたが、股下が極端に短い

私に着れそうなジャージが見つからない

 

なんで短足用ってないかな

 

探し続け疲れた私の目に入ってきた

コジャレたシャツや着心地良さげな上着

ワンピース・・・

 

シンプルで着回しできそうな衣類たちが

私を呼ぶ

 

雑誌クロワッサンにでてきそうな

お洒落な世界に突入してしまった

 

ジャージを買うはずが、次回女子会用に

着て行く服探しに方向転換する

 

断捨離中で、服はたくさんあるのに

ハヤリの服が欲しくなった

 

退職して、優雅にすごしていると

思われたい

 

グレーのパーカーと紺ノースリーブシャツ

合わせて、ネイビー水玉スカート

サイズはXL

 

XLが3Lより小さいのかどうか知らない

 

若者の店は現代っ子の体形に合わせた品揃えだから

太ったおばちゃんは悲しい

 

試着しない、面倒だから

 

帰宅して着てみると、サイズOK

 

最近、朝にシャワー浴をする習慣になってきた

寝ぐせの髪より、洗髪ブロー後が良い臭いがする

 

入念にボディクリームを塗りつけて

昨日買った服一式を身につける

いつものクリニックに行く

 

相変わらず繁盛しており、待合室は老人で

いっぱいだ

除菌、脱臭機械がフル回転している

 

もし、機械が故障したら大変だ

加齢臭、尿臭、病気臭、口臭、箪笥臭、・・・

 

オールマイティに患者を診ることが

できる医者だから、愛想が良いのも重なり

連日、患者が押し寄せる

 

誰にでもか知らないけど

いつも胸の音、背中の音を聴くと言っては

服をまくれと合図する

 

はいっ、どうぞ

 

 

次は郵便局に寄った

亡母の保険や貯金の解約手続きだ

 

各種書類の書き込みに神経使った

カウンターで係の方に解約手続きに来たと

話す

 

係の方、書類を受け取り、その場で処理し始める

通帳、印鑑、マイナンバー、運転免許証も

添えてあるのに、

 

後ろには、お客さまが並んでいる

 

私「ちょっと、ここではまずいです」

 

個人情報漏れるじゃないですか

貴重品失くしたらどうするんですか

 

係の方が案内したのが、待合室のテーブル

 

馬鹿か、お前

周りの客が見ているじゃないか

 

私「個人情報です。別室ありませんか?」

 

この無神経野郎、田舎ものが!

接遇ベンキョウして来いや!

 

・・で、無事手続き終了

 

 

郵便局の玄関に向かう私

玄関に入ってきた男性とすれ違う

 

私「あれっ、ナカガワ君?、ナカガワ君?」

司法書士をしているとチンネン(同級生男子)

から聞いていた

 

男性は立ち止まり、私を見る

私「わたし、〇〇です、覚えている?」

 

でかい顔の男性はうなづいた

 

ナカガワ君は中学の時の同級生

顔は知っているけど喋った事はない

 

私が探し求めている職業を持つ男だ

司法書士、ここは掴んでおかないと

 

これから相続や不動産、遺言書など

司法書士がらみで行っていく作業が出てくる

いつか、会いたいと願っていた人物だ

 

私「チンネンから聞いていたよ、司法書士

してるって」

ナカガワ君「チンネン?誰、それ」

 

私「えっ、〇〇のあだ名、チンネン

ナカガワ君「俺ら、〇〇って言うよ。」

 

長年の疑問が解決した

そうか、小学校の同級生はチンネンって

あだ名で呼んでいたけど、中学から名字にかわったんだ

 

女子に連絡しないといけない、女子の間では

未だに「チンネン」で噂している

 

ナカガワ君と椅子に腰かける

顔がでかいので迫力がある

 

笑わなくても出ている歯が白い

金持ちだ

金持ちは歯にお金をかける

 

私「最近、家を建てたって?、〇〇から聞いたけど」

ナカガワ君「うん・・」

 

私「床暖?」

ナカガワ君「いや、それはしなかった。

最近は断熱材がしっかりしているから」

私「うち、築100年でガタガタ。寒い寒い」

 

ナカガワ君「ちっこいの建てれば?」

私「もう死ぬかもしれないから、それはないな

そうだ、遺言書ってどうすれば良い?」

ナカガワ君「自分で書けばいいよ、公証役場〇〇・・」

 

でかい頭に脳細胞びっしり詰まっていそうだ

 

私「今喋っているけど、これ料金発生中?」

ナカガワ君「いや、喋っているだけだから

お金とらないよ」

 

私「いろいろ聞きたい事あるんだ、

名刺もらえる?」

 

ナカガワ君は完全に私にコントロールされている

腕に抱えていたカバンから名刺を取り出す

私に差し出す

 

私「忙しい?競争相手何人いるの?」

ナカガワ君「もう一人、〇〇って言う人がいるね」

 

私「ねぇ、孤独死する人多い?」

 

 

 

私は心の中で小さくガッツポーズをしていた

 

昨日買った服を着ていて良かった

シャンプーとボディクリームの臭いもする

髪も綺麗に整っている

 

会いたい人に会えた、喜ばしい

 

昨日から、あなたに会うために生きていた

そう思った

 

 

 

これからもよろしくね

ナカガワ君

 

 

 

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