メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

有楽町で会いましょう

 

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羽田空港に9時過ぎに到着

 

エスカレーターで一階に降りると

モノレールの改札口がある

 

左に曲がり、トイレに入る

 

貴方に会うために

そこで化粧をする

 

少しでも潤いを持たせたいので

ここに来てから化粧をする

 

鏡に映るしみだらけの顔

目じりが下がり、頬が弛んでいる

 

化粧水をつけ、下地クリームを塗る

しみかくしに厚めのファンデを塗る

 

眉をやや太めに描き、勢いをつける

そして、淡いピンクのルージュをひく

 

おばちゃんの顔はいくぶんか晴れてきた

最後にリップオイルで艶をだす

 

OK,こんなもんかな

 

モノレールで浜松町に行き、山手線に乗り換え

有楽町で下車する。

 

ビックカメラと反対方面にある

古びた喫茶店をめざして歩く

 

戸を開けると、貴方がいる

柔和な顔立ちに四角いメガネをかけている

 

私を直視しないで、視線を落として

話す貴方の癖に慣れた

 

二人の共通の話題は絵画

私はゴッホが好き、貴方はシャガール

 

コーヒーを注文する、いつもの店員さんだ

店内は、次から次へと客が入る

ドアが開くたびに貴方は、外を伺う

 

貴方の家庭の事は知らない

貴方がここにいてくれるだけで

私は救われる

 

短い脚を組んで、斜めになった姿勢で

話す貴方

 

型くずれした背広が愛おしい

 

「この後、用事あるから帰る、ごめん」

私を置いて出て行く貴方

 

まだ一時間も経っていないのに

いつものことだ

 

貴方が帰れば、もう東京に用事はない

17時発の飛行機の時間まで

一人で有楽町をうろつく

 

駅前のピザ、パスタ専門店に入る

私「一人です」

 

中年女性店員「全席禁煙なんですけど」

当たり前だろ

 

中年女性店員「お食事ですか」

頷く

 

中年女性店員「ご案内します

ここ階段あります、気をつけて」

おばあちゃんか

階段なくせば

 

中年女性店員が案内したのは

やや中段にあるテーブルの並び

 

せっかく東京に来たんだから

田舎じゃ食えないのを注文するか

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平めんのパスタと

グレープフルーツを注文した

 

中年女性店員「今の時間ですと、平めんはありません

スパゲッティになりますが」

私「それで良いです」

 

メニュー表にこの時間はスパと明記しとけよ

 

この中段の席は店内を見渡せるばかりでなく

外を行きかう人達も良く見える

 

カップルが入ってきた

こちらに案内されて来る

 

彼女が私の左横に座る

彼氏がテーブルの反対側に坐る

 

つまり、彼氏を前に彼女と私

並んでいる、そんな位置関係だ

 

二人もこれからランチなんだ

 

緑色のスパゲッティが運ばれてきた

それなりに美味しい

 

グレープフルーツも牛乳瓶みたいな

容器に入れてある

 

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彼氏「写真だと大きい人かと思ったよ」

彼女「良く言われます、どうしてですかね」

写真?、お見合いか?

 

彼女「朝ご飯食べてきました?」

彼氏「いや、ちょっと寝坊して、食べてません」

 

彼氏「六本木にお勤めとか、ヒルズですか?」

彼女「じゃないほうです」

テレビにでてくる町ですね

 

彼女「外国企業の製薬会社です。薬剤師では

ないけど入れました」

話が大きい

 

私の左耳はレーダーになっている

このカップル、滑舌の良い人たちで

とても聞きやすい

 

彼氏「凄いね」

彼女「ハンガリーに13年住んでいました

そこでも働いていました」

ハンガリー、東京は凄いな

 

彼氏「風邪ひいているって聞いたけど

大丈夫?」

彼女「はい、なんとか」

 

これは口実ではないのかな

ゴメンナサイのサインかな?

 

彼氏「何食べましょうか、ピザとあと一品づつ

頼みましょうか」

 

若い店員が来て、彼氏から注文を聞いている

彼氏はメニュー表を見ながら

素早く料理名を告げている

 

スピーディだわ、良い感じ

 

彼氏「俺、長野出身なの、たまに帰るよ」

彼女「何人姉弟ですか?」

 

彼氏「男ばっかし、二人とも結婚していて

墓参りしたら、すぐ帰って来るよ」

 

長野は若い頃、お付き合いしていた彼の

故郷です

 

おやきをお土産にもらったことがあるけど

うまかったなぁ

 

居ても立っても居られない

私「初デートなの?」

介入してしまった

 

彼氏、彼女「はい

 

隣の席のおばちゃんの割り込みに

応じてくれる

なんかいいんじゃない?

 

私「ゴメン、全部聞いてた」

彼氏「どうしたらいいんですかね」

面白い事を問いかけてくる

 

私「長野に帰る時はバス?」

彼氏「いえ、電車です」

 

私「あずさ2号?」

狩人の名曲だ

 

彼氏は笑顔で答える

「あずさは1号から10号あるんです」

 

きっと、長野駅構内ではあの曲がかかっている

そう思った

 

彼女は二人のやりとりを聞いている

彼女、目が大きく、その目が

彼氏に似ている

 

私「貴方たち同じ顔しているね

いいんじゃない、彼氏誠実そうだよ」

 

そう言って席を立つと

二人が後ろから「ありがとうございます。」

 

羽田に着いたのが午後1時過ぎ

保安検査場を通る時

係の方が「早いですね」と言う

 

余計なお世話だよ

スマホ見てるだけで時間潰せる

 

やがて飛行機の出発時間が来た

スーツ姿の軍団がやってきた

 

お洒落関係?

外人と日本人

みんなモデルみたい

 

はっ、ここは羽田

モデルたちがいてもおかしくない

写真とりたいなぁ

 

渋い年代はそれなりに素敵

足の曲がっている若い子もいる

 

サッカーか?

気をもんだ、ジタバタした

 

偶然にも同じ飛行機に搭乗

地元に降り立った軍団

 

軍団の中の日本人に聞いた

「サッカー?」

そうです

 

「写真とっても良い?」

「いいけど・・」

 

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目の保養をさせてもらった

明日、試合だとか

がんばってね

 

 

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