メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

すみれ美容室

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すみれ美容室知っている?

 

GW、何の予定もない私

家でゴロゴロするのは苦じゃない

 

母ちゃんの遺品整理をしていたら

私の小学校時代の通知簿がでてきた

 

できの悪い子供だったと自分でも

認識している

 

懐かしい思いで、通知簿を開くと

やっぱり点数が低い

 

当時は教師のコメントが手書きで

記されている

 

消極的、協調性がない、発表力がない

もう少し頑張って欲しい等

 

正直、へこんだ

 

ダメ人間だと分かっているけど

それを証明している通知簿に

今さらながらにへこんだ

 

もうあの小学校はないから

私の記録は、手に持つこの通知簿だけだ

 

燃やした

消せるものは消せば良い

自分自身の遺品整理もしなければ

 

君たちはどう生きるか」を読む

これを小学校時代に読んでたら

私の人生変わっていたかも・・

 

何気に鏡を見る

頭のてっぺんが白い

白髪染めが必要だ

 

大変、明日坊さんが読経に来る日だ!

 

GWだから美容院休みだよね

いや、もしかしてやってるかも・・!

 

さっそくいつもの美容室に電話する

営業しているけど予約でいっぱいと

断わられた

 

電話帳を見ながら

片っ端から電話をかける

 

白髪は生活の乱れだ

坊さんに見られると大変

 

頭巾、帽子ってわけには

いかない

 

だけどどの美容室も休日

 

どこでも良い、遠くでも良い

電話をかけまくる

 

一軒だけ留守電になっていた

「用のある方は〇〇もしくは〇〇に

連絡してください」

 

これはいけるかもしれない

なんとしても口説き落とすぞ

 

すみれ美容室

町にある美容室だ

車で通ったことがある

 

〇〇に電話をかけると

年配のご婦人がでる

 

「良いよ、私も起きたとこ」

寝てたんかい?!

病人か?!

 

10分後に現場に到着

駐車場が見当たらない

近くの野原に車をとめる

 

小さなお店のドアを開ける

「こんにちわ」

誰もいない

 

近くで花に水やりをしていたお婆ちゃんが

寄って来て「入って」と言う

 

まさかお婆ちゃん、美容室の人?

バッサバッサのショートカット

しかも金髪

すっぴん

エプロンしている

 

貴方がすみれさんですか?

 

上がり框があり、そこで

スリッパに履き替えろと・・

 

いやいや、驚き、今時、こんな

玄関

 

誰が履いていたかわからないスリッパ

抵抗あるなぁ

でも仕方がない

 

お店には2人分の椅子がある

小物が乱雑に置かれている

 

遠い昔、見た事がある髪を乾かす

おかまのような電気器具

あれ、使ってる?まさかね

 

お婆ちゃん(以後すみれさん)が

座ってと言う古びた椅子

なぜか白い座布団ひいてある

 

きっとやぶけてるのを隠すためだね

 

私「白髪染めお願いします、今みたいな色で」

すみれさんチューブから液体を出して

木製の茶碗風の容器の中でこねている

 

それ、味噌汁茶碗ですよね

 

頭に白髪染めを塗り出すが

レンガ色なんですけど

大丈夫ですか?

 

いいか、白でなければ何色でも良いか

 

私「その金髪素敵ですね」

すみれ「そうかい

あんたいつもどうしてるんだい?」

私「自分で染めてます、お金ないから」

 

ご贔屓の美容室があることを

言えずウソをついた

 

すみれ「髪が多いね、あたしもそうだけど」

すみれさんは手際良くクシを走らせる

 

いったいいくつなんだろ

70後半くらいかな

 

私「今日、花屋さん営業してますか?」

すみれ「どうだかね、休日だからね」

私「明日、月命日でお坊さんが来るんです」

すみれ「そうかい、そりゃ大変だね」

 

すみれさんは相づちが上手い

美容師さんは大体が話上手だ

 

すみれ「家も月命日やってるよ、夜にね

大勢集まるよ」

私「へー、夜されるんですか」

すみれ「そうさ、坊さんの話が長くてね」

私「村の坊さんもそうなんですよ」

すみれ「何かいもお茶出すよ」

 

白髪染めが浸透するまでの間

すみれさんは私の側に腰かけ

世間話をする

 

やっぱり、聞き上手、話し上手だ

 

私も、町の情報が欲しい

すみれさんに色々問いかける

 

シャンプーの時間が来た

すみれさんが何をつけて洗っているのか

もはやどうでも良い

 

疲れるのか途中で手が止まる

それもどうでも良い

帰ったらシャンプーするから

 

そしていよいよおかまいりだ

良い経験だわ

 

すみれさんが側に腰かけて

時々、私の髪を持ち上げる

 

すみれさん、立っている事が

できないのかな

 

ブローも雑だ

乾ききっていないのにドライヤーが

止まった

 

どうやらすみれさん疲れたようだ

 

 

ありがとう

楽しかったよ

 

 

 

 

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