メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

人それぞれの終末

あるドキュメンタリー番組を見た

 

都内のマンションで一人で暮らす86歳の老女が主人公だ

仮にA子さんと呼ぼう

 

A子さん日常生活動作には支障がなく、杖さえあれば

外に出かけることはできる

 

ただA子さんには認知症があり、定期的にヘルパーさんが

自宅訪問している

 

物であふれた部屋、壁には日付を記した薬がカレンダーに張り付けられている

ヘルパーさん「余ってる、ちゃんと飲んでる?」

A子さん「今から飲むわよ」

上品そうな話し方で返答するA子さん

 

元気な頃は多趣味で例えば、人形造りはかなりの腕前だったらしく

サイドボードには洒落た作品が並んでいる

 

A子さん「私ね、お金には困らないの、年金二つ入っていたから」

たぶんそうなのだろう

部屋はまだ新しい様子で調度品もそれなりに見える

 

ご主人と息子さんはすでに他界しており

見の回りを案じてくれる身寄りはいないらしい

 

A子さんが通販で冷凍食品を6箱買うが床に置きっぱなしで

ヘルパーさんが見つけた時には処分しなければならない状況

また似たりよったりの服も多量に買うらしく

支払いは数万円代になる

 

ヘルパーさんが冷蔵庫をチェックする

食材がほとんどなくA子さんの栄養不良があやぶまれる

 

場面が切り替わり、杖歩行でスーパーに向かうA子さん

付き添うヘルパーさんに笑顔がない

姑の面倒をみているお嫁さんのような表情をしている

 

A子さん「買っても重くて持てないの」

ヘルパーさん「お店の人に配達してもらえば良いですよ」

A子さん「そうね、そうすれば楽ね」

 

認知症が進み、一人暮らしができなくなっている

 

ヘルパーさんはA子さんの様子を医師に報告する

医師は施設入所をA子さんに促すが

A子さん「絶対嫌です」と拒否する

 

その後、A子さんの認知症が悪化し

ついに外出先で迷子になる

 

A子さんは周囲からの説明を納得し

有料介護付き老人ホームに入居する

 

身元引受人不在のA子さんは認知症にも関わらず

たくさんの契約書にサインしていく

 

万が一にそなえ、業者に後見人委託する

業者「お墓はありますか?」

A子さん「ええ、主人と息子が入っています」

業者「残った財産はどうしますか?」

A子さん「寄付します、困っている人に使って欲しい」

 

天涯孤独

財産は国のために使うのも誇らしくて良いかもしれない

なんか一石を投じられて

私、ちょっと感動した

 

後見人委託が成立する数日前に

A子さんは食堂で倒れ、逝ってしまった

 

A子さんの死後の後始末を行ったのは

姪と甥

A子さんの財産の法的相続人になる

 

30年ぶりに叔母のマンションを訪づれた姪の方は

語る

「年賀状のやり取りはしてたんです

棺に人形を入れたいと思って・・

後始末が大変です」

 

2040年には4人に1人の割合で認知症になるらしい

 

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