メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

お墓のハスの実のお供えを見て、兄貴が元気でいることを知る

小雨ふる7月夕方

百均で買ったポンチョを着てお墓の掃除に出かけた

小高い丘の上に建つ我が家のお墓からは広大な海が見渡せる

 

「良い眺めよの~~」とご先祖さまたちが言っているかどうか

知りませんがお墓には一年分の汚れが付着している

 

濡れタオルで拭いたり、すみっこは歯ブラシでこすったり

水で洗い流したり、けっこうきつい作業だ

 

私は霊とか全く信じていない

何故なら亡父も亡母も最期はオムツをしていたのだから

恥ずかしくて出て来られないだろうと・・

 

お墓は遺族のために存在していると思う

 

お墓掃除をしながら

両親と過ごした遠い昔の記憶がよみがえってくる

 

わら布団の上で川の字に寝て

夜空の星を見ていた幼少期

 

いたずらをすると父親が怒り

真っ暗な蔵に閉じ込められて恐ろしかったな

 

耐えない両親の喧嘩に怯えた年もあった

 

母親の正装時の着物は匂いが好きだった

 

何故か上手くいかない思春期後、親にあたり

溝をつくってしまった

 

溝は最後まで埋められなかった

 

昔の事、終わった事、仕方なかった事

いろんな思いが交差する

 

 

私がお墓を綺麗にしておくのは村人からの目もあるが

年に一度、お盆の時に

人目を避けてお参りに来てくれる”兄貴”のためでもある

 

”兄貴”と呼んでいた歳の離れた従兄がいる

 

兄貴はやんちゃで若い頃に随分と悪さをしたらしい

 

亡父が兄貴をまともな道に引き戻したらしい

詳しくは知らないが兄貴は負い目があり

村には帰れない

 

兄貴が現れたのは亡父の葬儀の時だった

 

丸坊主の兄貴は弔問客の中で小さくなっていた

 

兄貴は以来、ずっとお盆に我が家のお墓に来ているらしい

 

兄貴はいつもハスの実を置いて行く

 

ここらでは売っていない品なので兄貴だとすぐ解る

 

兄貴の不幸は続く

長男を亡くしたと聞いた

 

兄貴も年を取っているので

もうハスの実はないだろうと思いつつ

今朝、お墓に行くと

 

あった

 

ブログランキング・にほんブログ村へ