メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

ろくろ体験、頭の中であの名曲が鳴り響く

昔、デミームーア主演映画「ゴースト」が大ヒットした

 

陶芸家デミーの恋人がある日、暴漢に襲われ死んでしまう

恋人はゴーストとなり、デミーの周りに漂う

 

一方、デミーは突然逝った恋人の死にダメージを受け

悲しみが癒えない

 

恋人を想い泣くデミーと自分に気が付いて欲しいと怪奇現象を起こす

恋人ゴースト

二人のやりとりが切ない

 

そこにインチキ霊媒師、ウーピーゴールドバーグが登場!

はっちゃけていて痛快だ

 

この映画の名シーンといえば

ろくろをまわすデミーの後から恋人ゴーストが重なり

粘土を触るデミーをゴーストが包み込むように手を添えるところ

 

主題歌である「アンチェインド・メロディ」が流れ

感情の高ぶりエロさに拍車をかける

 

乾いた日常を送っている方がた

一度「アンチェインド・メロディ」を聞きなさい

エロいから良いよ

 

ーー

 

「ろくろ体験に行くんだけどついてきて

一人じゃ行けなくて」

友人からlineがあった

 

老人にはキョウイクが必要だ

キョウイク、今日、行く

つまり、予定、用事があるということが

生きるモチベーションとなる

 

陶芸教室の先生は60代

色白のちっこい爺さんだった

 

教室には私たち以外に4人の生徒さん?がいて

それぞれが作品制作にとりかかっている

 

本日、ろくろ体験をするのは友人一人で

ちょっと心細い気がした

(人気ないのかこの陶芸教室)

 

先生が南瓜ほどの大きさの粘土をドンと作業机の上の置く

「まずはじめに土づくりじゃ、蕎麦打ちと同じじゃ」

 

先生、リズム良く土をこね始める

「中の空気を抜くんじゃ、空気が入っているとひび割れするからの」

 

先生は蕎麦づくりが趣味で中に入れるジネンジョを育てていると言う

そういえば同級生のS治も蕎麦づくりが趣味だったな

なんで男は年をとると蕎麦をうつんだろう

 

「はい、ではあなたやってみて」

友人が不格好に土と格闘している

先生がそれなりにアシストして土こね完了

 

ろくろの上に土を乗せる

 

車のアクセルのように足で踏むペダルがあり

先生がペダルを足で押してろくろが回り出す

 

初めて見るろくろに私たちは声をあげた

 

先生が両手で土をはさむ

土は細長くなったり、縮んだり、また長くなったり

「いいか、こうしてまた空気抜きを行うんじゃ」

 

またまた空気抜き!

私たちは再び声をあげる

初体験って何でも楽しい!

 

私たちの興奮に同調せず

先生がおもむろに回転している土のてっぺんに親指を挿入する

すると

みるみる大きな穴ができ、器っぽくなってきた

 

わぁーわぁー歓声をあげる私たち

 

近頃では茶碗、皿は百均でも素敵な品が並んでいて

割れても汚れても苦にならない器を買っているが

 

陶芸とは手作りとは、こんなに興味深いものなのか

楽しい!

 

「簡単そうに見えるが手加減が難しい

ではあなたやってみなさい」

 

友人が腕まくりしてろくろ前に坐る

先生と友人はろくろをはさんで向かい合わせになる

 

「左手は添えるだけ、右手で形を作っていく

ペダルを踏んで・・」

 

友人はやっぱり素人なんで先生の言う通りには

頭と手足がついていかない

なんかバタバタになっている

 

先生がアッ、ダメっ、いかん、違-うとか叫んでいる

修羅場だ

 

先生が友人の手を握り、密着指導を始めた

パワハラだとか言うなよ」

 

二人を傍観している私に

あのメロディが聞こえてきた、そして

甘く切ないあの映画の名シーンが浮かんできた

 

ろくろってなんかエロいな

 

先生の密着指導は二時間で終了した

でっかいドンぶり茶碗が仕上がった

「焼いたら普通茶碗くらいに縮むから心配せんで良い」

 

素焼きして、後日、削りの工程があり

さらに釉薬をかけて焼く

 

友人はしばらく陶芸教室に通い、茶碗を仕上げることになった

 

 

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