同窓会参加する派?、しない派? <前編>
中学校を卒業してから
ざっと50年経った
50年・・・
進学、就職、結婚、子育て
そして定年
第1ステージは終わった
これからは介護、病気に向き合いながら
第2ステージで生きていく
140人の同級生のうち
死亡者4人
行方不明者14人
11月に地元の温泉旅館で行われた
同窓会に参加した者は31人
31人は会費3万円支払える経済力があり
一泊できる時間的余裕のある者たちだ
さらに、女ばかりか男も身なりを整えてくる
つまり、気力体力を維持しているという事
同窓会とは
そこそこの生活をしている者たちが
集うパーティだ
各々、同窓会に参加する目的は違うだろう
私の場合は
連れのK子がいまだに片思いしているH君に
今宵はどういうアタックをするのか
見たいだけ
野次馬だ
そもそもH君は都会に住んでおり
必ずしも今回の同窓会に参加するか
わからないのに・・
夢の国でイルミネーションに携わっているH君が
ど田舎のジジババに会うために
やって来るなんてありえない
彼はクールなんだから
ーーー
同窓会が行われる当日の昼間
友人Y子と共に、私はK子宅に寄る
K子を車に乗せて、旅館に向かう予定だ
私たちは中学校のソフトボール部仲間だ
K子宅で私は化粧を始める
自宅でもそうだったがK子宅でも
鏡にうつる私の顔はシワだらけだ
場所が変われば、治ってるかと思ったのに・・
乾いた地肌にファンデーションを塗る
隣に座るY子に言う
「ねぇ、あんたもすれば?化粧」
「してるよ!」
してたの?!、
慌ててとりつくろう
「口紅くらい塗りなおそうよ」
「塗ってるって!」
眉を描く
眉尻が二つに別れてしまった
修正は面倒、よけいおかしくなりそうだ
K子が着替えて来た
黒地に花柄の長めのワンピース
黒のカーディガン
K子はスタイルが良いから
とても素敵に変身した
同窓会は6時からだけど
3時には旅館に到着した
玄関を入ると受付があり、幹事たちが
こっち、こっちと手を振る
久々に会う同級生たち
美人と評判だった子もそれなりに
老けていて、安堵した
歳月は恐ろしい
受付で会費を払う
チラッと本日の出席者名簿をチェックする
田舎モンの名前ばかり並んでいる
H君は来ないようだ
ちょっとがっかり
イベントがなくなった
まぁ良いか
今晩は
どっしりと構え
誰かと喋ろう
楽しもう
中学校時代はさえなかった私だけど
ちゃんと大人になったよ
同窓会は戦いだ
みんなに負けてないっていう戦いだ
さぁ、行くわよ