柿が欲しい
明日から母ちゃんが二泊三日の予定で外泊する。
私は施設では食べられない、母ちゃんの好きな食べ物を準備する。
温泉卵、はちめ、ごま豆腐、イチジク、ぶどう、次々と買い物かごに入れていた。
柿がある。
前回、外泊した時に柿が食べたいと言っていた。
母ちゃんの好きな柿は熟れた柿。
柿をそっと押してみる、柔らかい。
(熟している、買おう、喜ぶぞ)
レジで店員さんに何気なく聞いた「この柿、熟れてる柿やね?」
私が利用しているこのスーパーは時々、腐ってるもの、傷んだものが
置いてある。
それでも私がここで買うのは、店員さんが気さくで庶民的だからだ。
「元々、そんな柿じゃない?熟れた柿」と私。
「いえ、これ腐ってます」と言い張る店員さん。
どうしても柿が欲しい私。
「調べてみてくれる?熟れた物として出荷してるんじゃない?」と私。
「いえ、腐ってます」とやっぱりとりあってくれない店員さん。
このスーパーおかしい。
腐っていると、堂々としている。
(すがすがしいくらいやわ。)
(熟れた商品として買おうとする私も
おかしいのかな。)
「処分するなら私が食べてみるる」
・・・ってひきかえしそうになる(私しつこいかな)
名残惜しく店をでた。