「歩きにくくないですか、そのクツ」慰安旅行東京
今回の慰安旅行は東京。
集合場所は空港。
20人程の職員が参加する。
事務職員が引率する。
10時頃、スーツケースを押しながら
みんなぽつり、ぽつり集まってくる。
集合場所で仲良しのKちゃん、Mちゃんがいる。
Kちゃんが言う。
「見て見て、今日のためにバルコバヤシから
服買った。頭も美容院行ってきた」
みれば分かる、いつもより綺麗だ。
ドアが開き、そこへどうどうと入ってきたSさん。
彼女は、「どこで買うてくるん?」て聞きたくなるのどの
ハイカラが服を普段から着ている。
このSさん、5億の資産があると噂される金持である。
確定申告が大変らしい。
羽田に着くと全員集合して記念撮影。
行ってきたという証拠にすると引率の事務職員がカメラを
しまう。
時刻は12時。
「テレビで見たんだけど、ロールキャベツの美味しい洋食屋
屋があるらしいよ」誰かが言う。
決まりだ、そこに行こう。
団体客は長いかたまりになって、空港内をウロウロ移動する。
簡単に見つからない。
空いているイタリアンがある、空腹だから、そこでも
いいんじゃない?
だって荷物もって歩くの疲れる。
「あった!ここここ」
そこは16人座れば一杯のカウンター席と、二人掛けのテーブルが二つ置いてある小さいお店。
店内は混んでいて、とても全員が入れない。
それでも美味しいロールキャベツ食べたことがないから
みんな店の外で順番がくるのを待った。
(たいして上手くないな)
そこで時間ロスした私達、宿泊予定のホテルが
ある駅まで電車で言った。
(貸し切りバスはケチったな)
駅の外は小雨が降っていた。
地図を広げている私達に声かけるものなど
いない。
あっちだ、こっちだ、いや、そっちだと引率者は
私達を疲れさせ、小雨も止まないなか、歩かせる。
(タクシー使えよ)
駅から20分も歩いたところで人通りもまばらになった。
誰も口きかない。
疲れた。
長い行列の後方は私とSさん。信号機で足止めされた。
その時、自転車で二人を追い越す綺麗な女性がいた。
「壇ふみ」追いかける私。
つられてSさんもついてくる。
壇ふみにまかれた。
気が付けば職場の人間もいなくなっている。
「もう少し歩いてみる?」
「そうするか」
ふたりでトボトボ歩くが、みんないない。
警備員さんにホテルの行先を聞いたが、地元でも
ないから説明が頭に入らない。
携帯がなる。
「いまどこ?みんなホテルにいるよ。」
Kちゃんからだ。
道を間違えているのか教えられる通りに歩くが
いっこうにホテルに着かない。
足痛くなった。
今度はMちゃんから「ホテルの前でたっているから」と電話。
向こうに引率者とKちゃんの顔が見えた時はホットした。
私とSさんが横断歩道で壇ふみを追いかけた、あの道を右に曲がればホテルがあったのだ。
「壇ふみがおるわけないやろ」Sさんが怒る。
(なら、ついて来るな)
夕食は韓国料理店で肉を食べた。
働くスタッフのみんながお肌綺麗なのに驚いた。
夜は自由行動。
Kちゃん、Mちゃんは韓流ファンだ。
新大久保のコリアンタウンをうろついた。
慰安旅行で一緒にきた何人かと出会った。
ここでも韓国人の肌の美しさに目を奪われた。
(キムチってすごいな)
翌日のメインは
2012年に建設
高さ634mの電波塔
ホテルから貸し切りバスに乗り込む。
添乗員さん、小柄。制服大きすぎ。
帽子が大きくて顔見えないよ。
それに、履いてる靴、ブカブカ。
歩くたびに踵踊ってる。
「ねぇ、最上階まで行けるんかな?」
「そりゃ、貸し切りバスだもん、ちゃんと予約してるって」
なぜか、ツリー近くでバスから降ろされた。
「ここから電車移動になります」添乗員さんが説明する。
見ていると、駅の窓口で切符を買って、一人一人に配る。
全員が電車に乗り込み、思い思いに座る。
添乗員さんは背伸びしながら吊り輪に捕まっている。
かかとが見える。
「くつ、先輩から借りてきたんかね」
「服も大きいけど帽子も大きい」
「きっと、誰もいないからあの研修員の子
行って来いって上司から言われたんや」
いつのまにか、添乗員さんはでかい鞄を持っている。
「あの中に観光説明書とか入っているんじゃない」
電車からおり、みんなのあとを追うが、また、迷子になった。
迷子はもう一人いた。Cさんだ。
構内をうろついていると、「こっちこっち」と呼ばれた。
添乗員さんを中心に集合する。
「申し訳ございません。最上階に行くチケット買えません
でした」
(やっぱり、当日、申し込みしたんだ)
私達は人でもみ合うお土産さんや洋服やさんで
時間つぶしした。
スカイツリーのあとは遊覧船で外から景色を楽しんだ。
Kちゃんが「あのウンコの会社見た事ある」と指さす。
ビルの上に黄色の流れる形のウンコが乗っている」
夕方、貸し切りバスに乗り、ホテルに向かう途中
ガクシュウインを通った。
感動。
添乗員が自己紹介を始める
(今頃?)
「こう見えて、黒帯です」
一同「おー」
「指が小さいので、みんなからポークビッツと呼ばれます」
一同「おー」
「田舎は青森です」
一同「おー」
「頑張れよ」男性職員が声を張り上げ、女子は拍手する。
ホテルに着くと各グループにわかれ、好きに夕食摂ることに
なった。
Mちゃんは帰りのバスで酔ったらしく元気がない。
「部屋で休むか」
「なんか買ってきて食べるか」
Mちゃんは優しいので「大丈夫、外行こう」と言う。
それではと知らない街中を歩く。
ビルの8階に居酒屋があり、そこに入ることにした。
注文とりにくるのは元気なおばあちゃん。
このおばあちゃん、言葉が韓国なまり。
聞けば聞くほど、シャ、シュ、チョ、などなど耳に入り込み
おばあちゃんが威勢よく注文言っても、おばちゃんが動くだけでも私達は笑いが止まらなくなった。
Mちゃんもいつしか涙流しながら食べている。
帰路の飛行機の中でも、買い物がしたいYさん。
カバンお買い上げしていた。
終われば楽しい旅でした。