メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

カツラ、みんなでかぶれば怖くない

先日、押し花教室の生徒さん6人で女子会をやった

場所は町はずれにある老舗軽食喫茶「ラズベリー

 

このお店は注文すれば中華だろうが刺身定食だろうが

ナポリタンだろうがステーキだろうが

なんでも出してくれる

 

もうけあるんか?っていうくらいのボリュームで

しかも美味い!

 

ただ残念なのは喫茶のわりにコーヒーがまずい

 

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高齢のママさんが注文をとりに来た

昔は美人さんだっただろう通った鼻筋に品がある

 

私たちはそれぞれが食べたい料理をママに言う

しかめっつらを浮かべながら必死でメモるママ

もっこり綺麗に整えている頭はたぶんカツラだ

接客業だから身だしなみを整えるのはマナーですよね

「ちょっと時間かかるよ」ママさんはだみ声だ

 

女の話はくだらない

それは年を重ねても同じだ

 

テーブル右端に坐るY田さんは耳が遠いので声がでかい

でかい声でいつも孫や息子の自慢ばかり話す

聞き飽きたわ

 

私の右隣のM浦さんは押し花以外にも陶芸や人形造りを趣味にしている

週に何日かお仕事にでかけ、空いた時間に畑をしたりと忙しい方だ

話題豊富で協調性があって良い感じで生きている

 

M浦さんは前に坐る同じ村のゴクミと仲良しだ

ゴクミは私と同時期に押し花教室に入門している関係上、私のライバルだ

(年齢は同じ、同じ高校の同級生、

私だけがライバル視しているだけ、ゴクミにすれば相変わらず

バカヤロウネっかも・・・)

 

さぁゴクミのファッションチェックをするわよ

黒地に黒の水玉模様の上着、ピンクの幾何学模様のセーター

高そう、ゴクミは地味に高そうなお召し物をいつも着ている

一点ものを売っている所で店長がゴクミの好みだからって

取り置きしてるんだきっと

 

N川さんは押し花教室の裏ボス

いつもお帽子をかぶっている

お帽子は薄毛、白髪、手入れ不足の頭を隠すのに便利だ

 

ある知人はグレイヘアに移行中、

恥ずかしいからと外出時にはカツラをかぶっていた

私が驚いたのはカツラの上にお帽子までかぶっていたことである

 

「N川さん、その風呂敷にお菓子でも入れてきたんですか?」

N川さんのテーブルにオレンジ色の風呂敷包みが置かれていた

みんながいっせいに注視する

 

「これ?、カツラ持って来たの」

そう言ってN川さんが風呂敷を広げ、箱から黒い塊りを取り出し

お帽子をぬいで、頭に無造作に置いた

 

イチゴのヘタみたいな感じ

 

白髪混じりの薄い地毛の上にちょんと置かれた黒髪が

あまりにも異質だった

 

「それじゃ駄目だよ、クシでといてなじませなきゃ」

親切なM浦さんが駆け寄りカツラの調整を始めた

幾分、地毛とカツラの境界線がうすらいだ

 

N川さんの暴挙にたじろんだが

きっと彼女はみんなの前で本来の姿を見せたかったんだと思う

大丈夫だよ、可愛いよ

 

「N川さん、カツラいくら?」

「どこで買ったの?」

みんなが聞く

 

「K山さんに頼んで買ってもらった、20万円」

えー!!高いんだね!!

ってみんなが騒ぎ出す

 

私の左横に坐っているK山さんが素知らぬ顔つきをしている

 

K山さんは白状しないけど

K山さんもカツラだと私は以前からにらんでいる

 

M浦さんが席にもどりながら言う

「私も今日はちょっと後ろに(カツラ)付けて来たの」

「えー、全然わからないよ」

みんなではしゃいだ

 

高齢のママさんが料理を運んで来た

「今日は何の集まりだい?」

 

 

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