見積り無料物語
廊下の板が傷んだため、見積りオーディションを続けてはや3週間。
お手並みさえ良ければ家の数々のプチリフォームを予定している。
センスと確かな技術さえあればすぐに着工してほしい。
オーディションは面接と見積書。
これっていう決めてがないまま、疲れた私は
廊下のフローリングだけ4番目の奥ゆかしい人に依頼しようと
決めた。
紹介してくれた人が「元は配管工だったが、とりあえず丁寧な仕事をする」と行った言葉を信じて。
紹介してくれた人に「その人がこの家をたてたんですか?」って聞いたら「いや、他の大工や」って言っていたがそこは忘れよう。
たかが5畳たらずの廊下、フローリングするくらいたいした違いはないやろ。
朝、村の人から電話があった。
「決まったんで、ありがとう」と言い電話をきった。
ポストに3番目の人からのお便りが入っている。
2級建築士、インテリアアドザイザーって名刺を置いて
いった奴。
オーディションでは期待できる言動があり、私は「もうここでいいっす」と思っていたが。
12日すぎても音信不通だった奴だ。
茶の間の戸が二枚傷んでいてそれも新たに作ってと依頼していたが、一枚10万て。どんなん作る気や!
気を取り直して奥ゆかしい人と会う。
フローリングに使われる木材って一長一短だ。
値段が高ければ良いってもんじゃない。
私は使用する木材の手入れについて聞いた。
とたんに落ち着きがなくやたら本をめくり始める。
着工者が扱う材料の説明ができないってどんなん!?
「検討しますね」と席をたち足取りも重く帰路につく。
疲れた。
しばらく休もう。