金は山にある
家は山を持っている。 昔は、山の木を売って暮らせるという良い時代があったらしいが
今は木の需要が減り、山を維持するのは困難。
木が成長していくためには、草刈り、枝打ち、間引きといったお世話が必要。一人前になるのに数十年かかる。
子供は喋って親に伝えることができるけど、木は病気にかかっていても
話せない。主人が気が付いてあげないと枯れてしまう。
ご先祖様から託された山を、父ちゃんが丹精込めて山を守っていた。
山の管理を私達子供に引き継ぎする前に父ちゃんは早く逝ってしまった。
で、私達は安かろうが木を売っぱらってしまうことにした。
で、本日は木をきりだし市に出す作業をしてくれる方と現場で落ち合うこととなった。
険しい山道を走る。
斜面をこけそうになりながら
登り続け
川や石、小枝、葉っぱに足をとられないようにして私達は進む。金のために。
作業員の方と対面。
どの木を切るのか、段取りや、何日かかりそうだとか聞いた。
(素人だと思ってなめんなよ・・・って雰囲気をただよわせ・・)
そしてこけそうになりながら
山を下りた。
市場に出せば幾らかは、金が入る。金は山分けする決まり。
父ちゃん、私達こんな感じで生きてます。