メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

母ちゃんが死にました、戦いの幕開けです。 ー仮通夜ー

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12月6日  私は喪服の上着を買いに町まで行っていました。

 

      ズボンははいていたそれしかなく、

      インナーは着れるのがなく、後日、どこかで買おうと思っていました。

      タラタラ買い物をしたり、夕飯を作ったりで母ちゃんの見舞いには

      行きませんでした。

 

12月7日  9時15分、母ちゃんの入院先である病院からの電話が入りました。

 

      病院からの電話は、良い話ではないものです。

      「お母さんの状態が変わったのですぐに来てください」

      「はい、わかりました」

 

      この日にそなえ、村の区長から葬儀についての準備を聞いており、

      ぶれないように自分で台本を用意していた私。

      急ぐので台本を持つ事さえ、忘れて車をだした。

 

      (状態が変わったって言っても危篤的な感じかな・・)

 

      信号が赤になる度に、姉や従兄(以前から葬儀担当になってと

      お願してある)、母ちゃんの妹たちに車中から電話する。

 

      病院近くにある郵便局で母ちゃん名義の貯金40万円

      おろす(死亡届とともに貯金が凍結されるから)

 

      病院駐車場付近で母ちゃんの妹さんを見かける。

 

      (ここの病院駐車場、遠いんだって!)悪態をつく。

 

      部屋に入ると、母ちゃんの妹2人がいる。

      母ちゃんは死んでいた。

 

      人は不思議なもので、カメラを向けられると笑顔になる。

      死人と笑顔の妹たちのスリーショットを撮る。

 

      私が着いてから、女医が着て「10時24分です」と死亡宣告した。

 

      顔見知りの看護師の話では、高熱があり、クーリングのため

      9時過ぎに訪室したところ、息が止まっていたとのこと。

 

      私が癌性疼痛のため、希望した麻薬は二日前から使用した

      とのこと。(もっと早く使って欲しかったな)

 

      膵臓癌と診断され、入院20日目で死んだ。

 

      膵臓癌がいつからできていたのかは分からない。

      (おそらく数年前からだろう。去年、腹痛いって言っていたけど

      大袈裟タイプだから「ふーん、湿布はるか?」ってにごしていた)

 

      看護師さん達が二人いろんな物品を持って入ってくる。

      「ご遺体をきれいにして良いですか?」

       「浴衣これ使って下さい。男物か女物かわからないけど。

       化粧は家でしますから、シャンプーお願いします」

 

     早速、区長の言っていたように、町のセレモニー会館に電話する。

      「8日も9日もいっぱいや」断られた。

      小さな町だから一人に先を越されると、二番目は別の町を当たらなければ

      ならない。

 

      (くそっ、誰がさきに死んだ!)

 

      急いで、二番目を探す。

      母ちゃんの妹(叔母ちゃん1号)が隣町にあるセレモニー会館に

      問い合わせする。

      叔母ちゃん1号「空いとるって」、電話を私に渡す、

      「12時頃に家に来てもらえますか?その時、詳しく

      相談したいので」

      「あんた、搬送どこに頼んだ、え?こっちでするからそこ断わって!」

      電話の女性はけたたましく喋ります。

      普通は「ご愁傷さまです」と挨拶してもいいのでは?

      (遺体搬送はすでに病院近くの業者さんに頼んであります。)

 

      私とセレモニーばばぁとのバトルはこの時から始まっていたのです。

 

      病棟のラウンジコーナーで叔母ちゃん1号、2号、姉、私が今後の

      相談をします。

      保険が2社あることにきづきました

      ナースセンターの師長に死亡診断書コピーを依頼しました。

      台本持参していないので、思い出しながら・・・です。

 

      従兄(葬儀担当)に隣町のセレモニー会館になったことを

      電話します。

 

      家人から電話がはいります「白い布団どこ?」

      説明してもわからないでしょう、母ちゃんの寝室の隣の部屋に

      カバーかけて隠してあるから。

 

      (布団、母ちゃんの部屋に置いとけば良かった。)

      「布団準備できるまで、搬送の人に待っててもらおう」姉が言います。

 

      (こんな所で何人も残っているのはもったいない)

       (やることいっぱいある・・・!)

 

      「あのー、死亡診断書できたので一階で支払いお願いします」

       紺色の制服を着た事務の方です。無表情です。

      「入院料も支払って帰りたいんですけど」

       無表情な事務の方が言いました。

      「今、できないので死亡診断書の分だけ払って下さい」

 

       入院明細ができないのなら、死亡診断書の支払いも

       後じゃダメなの?

 

       この病院、好きではない。医者は頼りなく、看取りなのに

       寄り添わない看護師。

       後手後手にまわる医療者たちに納得がいかない。

 

       腹立たしい思いで、一階の会計で診断書料を払う。

       姉に診断書を渡し「先に帰って、準備してくるね」

       そこへ遺体搬送業者が来る。

 

       裏玄関では、女医が待っていた。

       私を見ると「あなた、大丈夫?」って肩に手をかける。

       (その言葉、全部お前にかえすわ!)

 

       搬送車をはさみ、姉が先導し、後方から私がついて行った。

 

       自宅の母ちゃんの寝室では、綺麗な敷布団が準備されていた。

       従兄が寝室の隣の仏間の戸をはずしている。(二間続きになる)

 

       私が古い敷布団をだそうとすると、姉が「これでいいよ」と。

       それから姉は二階にあがり、丈夫な白いシーツを持って来た。

       (私が探していたけど見つけられなかったシーツ)

 

       搬送業者は、ストレッチャーごと母ちゃんを運ぶ。

       親戚が来ていたので、ストレッチャーを皆で持てたけど

       老人ひとり暮らしなら、どうする気だったんだろ、あの業者。

       (お客さまをあてにする、業者ってそれ正しいの?)

 

       寝室と仏間、二間続きになり、寒い、寒い。

       早速、先日、買っておいたストーブの出番です。

 

       12時すぎ、隣町のセレモニー会館の方が乗り込んできました。

       黒のジャンパ―を着た80歳のばばぁが社長、            ついてきた若い子が孫です。

 

       ばばぁは、いきなり本題を喋り始めます。

       「花どうするかね、オードブルにするかね・・・・・」

 

       通夜、葬儀の話です。大金が動きます。大事な話です。

 

       ばばぁは止まりません。

       口頭での話では、こちらは不安です

       「お名刺頂けますか?」

       「そんなもんないわね」

       (名刺がない企業、業者ってアリですか?)

 

       隣に正座する孫に「ちゃんと記録して、後で見せてね」

       私はお願しました。

 

       棺は3万円にしました(燃やすから)

       祭壇は28万円にしました(高いのは30万台、安いのは貧相)

       当日、決めたのはこれだけ、後は明日、返事することにした。

 

       ばばぁ勝ってに文房具セット、記帳セット置いていきやがった。

       それに気づいたのは、後からで。

       文房具だって家に準備してあるのに!

       父ちゃんが死んだ時は、業者さんはメニュー表を提示しながら

       一項目づつ丁寧に説明してくれていた。

 

       次姉がやって来た。

 

       私と次姉で死化粧をした。

       次姉が泣きながらするので、私は何故か淡々と手伝う。

       母ちゃんは綺麗になった。

 

       長く、苦しんだ訳ではないので、顔が傷んでいなかった。

 

       ばばぁに構っていられない。今夜は仮通夜。

 

       従兄(葬儀委員長と村では言う)がお寺に電話をする。

 

       孫やご近所さん、親戚など続々集まってくる。

       その度に挨拶したり、誰かがお茶を出したりする。

       茶の間が人で混雑する、テーブルを出してきたり

       みかん、菓子等テーブルに置く。

 

       お寺の住職がきてまくら教、夜7時から仏間でお経。

 

       やがて9時。

       祭壇周辺におくものを親戚で決める。

       生花6基、菓子7箱、果物6箱、ジュース2箱

       提供してくれた方々の名前の書きだし。

 

       明日、通夜後の夕食のオードブル、寿司を何人前か決める。

 

       みんなが疲れ果てる。

 

       用が済んだものから帰る。(家人が、声かけ、挨拶する)

 

       葬儀委員長も11時には帰った。

       受付は村の人二人に頼んだらしい。

       家の村は、村の人には香典返しをしないことになっている。

       村の人か否か判別しなければならない、村の人が受付になる。

 

       後は家族だけ。(姉は着物を着たいので一旦自宅に帰ると

       言ったが、自宅で休んで良いよ、明日きてねっていうことになった)

 

       蝋燭の火を絶やさないよう、遺族が添い寝するという

       習慣らしいが、部屋が寒いのと、死人が怖いというので

       茶の間に寝る事にした。

 

       私は、愛犬をペットホテルに預けそこなった。

       5キロの愛犬は、私が寝室に入ると、飛びついて来る。

       (寂しかったね。)

 

       パジャマに着替えると、母ちゃんの側に布団を持ってきて

       寝た。

       母ちゃんが冷たい。

       ばばぁが載せていったドライアイス(8000円、後日、明細みて

       わかった)のせいだ。

 

       黒ジャンパーのばばぁとその後もやり合う。

       

       

       

 

 

      

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