人に言えない怖い話
体重は微妙に増えている。
暑くて動かなくなったせいだ。断捨離は中断したまま。
家に閉じこもりクーラーかけるから食事は普通に摂れる。
田舎のお葬式は大変だ。
家からだしてあげようという
優しい風習があるからだ。葬儀委員長がいて皆に役割分担が振り分けられる。どの程度の親戚か、役割かによって仕事を休まなければならない。
イベント会場作りのため家じゅうの戸をはずしたり、荷物を運び出したり
電話の応対、接客、車の誘導などは村の父ちゃん達。
遺族は台所に入るのを禁じられる。そのかわり母ちゃん軍団がまかないを一手に引き受ける。
遺族の朝、昼、夕の食事、客人にだす食事、火葬場で食べる食事、朝から晩まで作業は続く。
慣れない女子は皿洗いや買い物をする。
暗黙の了解があり、煮しめの味付けはA母ちゃん、酢の物担当はB母ちゃん、お重に並べるのはC母ちゃんなどとお決まり事がある。気のはる作業だ。
問題がでると村の長寿にお伺いをたてる。
家は今回、通夜にお菓子配りの指示があり家人が行った。
翌日のお葬式には私が行くことにした。
・・・が当日、まさかの緊急事態発生。
喪服がはいらない。
腹が邪魔してストッキングがはいらない。
夕べ、お通夜から帰ってきた家人が言ってた。「人がたくさんいて暑かった」って。
情けないが行かないことにした。不義理の理由が肥満にあったことを
人には言えない。あまりにも滑稽すぎる。