メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

ネコの赤ちゃんたち、ゴメンネ

 

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我が家の裏にある堤防

愛犬の散歩のスタート地点

 

海沿いを歩いて

隣の空き家を越して

 

そこから二軒目の家の前の

県道を渡り

 

村の真ん中を越して

さらに田んぼ道に行く

 

帰りは線路の手前にある家を

通るわけだが

 

この家には数匹の猫が

野放しで飼われている

 

今年になり赤ちゃんも

数匹生まれたようだ

 

愛犬の散歩はいつも夕方だ

 

昨日は小雨が降っていたので

散歩を中止しようかと

窓の外を眺めた

 

すると、窓から3mばかり離れた

堤防に3匹のネコの赤ちゃんがいた

 

マダラ茶色

ヨタヨタ歩いている

 

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堤防に二つの穴があり

3匹はその穴に入り出した

 

最後の赤ちゃん、茶色の首の細い

後ろ姿に胸が絞めつけられる

 

堤防の下は海

 

我が家にはすでにやんちゃな犬がいる

ネコは飼った事がない

3匹も無理だ

 

窓のカーテンを閉めた

見なかった事にしよう

 

ネコを保護したことで起こる

数々のお世話、家も汚れる

 

どこかに親がいるはずだ

親のそばに、もしかしたら

まだきょうだいネコがいるかもしれない

 

面倒だ

私は面倒だった

 

穴に入ったネコの赤ちゃんたち

海に落ちて、明日は死んでるだろう

 

嫌だな、白骨化するまで

海に浮遊する・・・

 

夜、ネコたちは泣かなかった

3匹一緒だから怖くないのかも

しれない

 

 

今朝、静かな小雨

こんな日は誰も来ないし

 

今日やらなければならない

用事もない

 

久々にビールでも飲んでと

台所に向かう途中で

窓の外を見てしまった

 

あのネコの赤ちゃんたちがいた!

 

穴の中で一晩,寝たのか

でも茶色がいない

 

黒が腰を抜かしたように

尻を地面につけており

マダラは立ちすくんでいる

 

側にカラスが二羽いて

交互に何かをつついている

 

きっと、こちら側からは

見えない茶色

やられているのかも・・

 

カラスを追い払っても

瀕死の赤ちゃんと

やっぱり面倒みれない2匹の

赤ちゃん

 

赤ちゃんたちの声が聞こえない

この赤ちゃんたち泣かない

昨日も今も・・!

 

ゴメンネ

私はまたカーテンを閉めた

 

カラスが「ガー!、ガー!、ガー!・・」と

騒ぎだした、仲間が飛んできたのかも

しれない

 

 

ビールを飲み干す頃には

また、静寂になった

 

 

雨がやんだ夕方、私は一人

堤防に立った

肉片、骨、一部を探すため

 

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濡れた綿毛のような毛を少し見つけた

 

ネコの赤ちゃんの痕跡はそれだけ

 

カラスはくわえてネグラに

生きたまま持って行ったか

 

海の中、テトラポット、隣の空き家を

見てみるが何も見つからない

 

声も音もしない

 

村のはずれにある我が家

隣は空き家

ネコを捨てやすかったんだろう

 

まさか線路脇のあの赤ちゃんたちが

歩いて我が家に来たとは考えられない

 

愛犬と雨上がりの村を散歩し

最後、線路脇のお家を通ったが

ネコの赤ちゃんたちはいた

 

私は情けない人間です

ただただ救出が面倒で

逃げた人間です

 

もし、もし、3匹のネコの赤ちゃんの

生き残りを見つけたら

今度は保護して、里親を探します

 

赤ちゃんの首の細い後ろ姿や

細いヨロヨロした足・・

 

 

ゴメンネ

 

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お寺デビューしました

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仏教に全く関心がない私

 

 

されど、昨年、母ちゃんを亡くしてから

村の僧侶と度々、お会いする機会が

多くなり

 

今は、月命日で一か月に一度

我が家に僧侶がやって来て

読経をあげていく

 

はっきり言うと面倒くさい

 

LINEで動画送信してくれないかな

お布施は僧侶の口座に振り込んで

 

誰も知らないんだから(月命日)

やった事にして済ませてくれないかな

 

そんな私に

親鸞聖人の教えに学び~~教化活動を

しましょう」という講座を受講するよう

僧侶がすすめてきた

 

8月から4月までに計6回の講座

 

私が―?!

笑うね

 

罰当たりな構想をねっている、この私が?

親鸞聖人って初めて聞いたけど生きてた人?

 

架空の人じゃないの?

誰か、その人を見かけた事があるの?

 

この世に真実なんてあるの?

なんで門徒からお金せびるの?

 

聞こうじゃない、何を基準にして

読経料とるのか

計算式でもあるのか?

 

金ぴかの仏具や派手な衣装に

根拠があるの?

 

 

・・結局、野次馬根性

親鸞聖人の講習を受講する事が決定した

 

 

一方、うちの村では6月にお寺の本堂で

門徒全員集合の永代供養の読経が開催され

るそうで

 

特に、我が家のように祠堂料を払った者は

読経の中でお名前を読み上げるので

絶対参加しなければならないらしい

 

61歳にして初体験です

お寺デビューすることになった

 

精進料理が振る舞われ、その後で読経開始

隣村の僧侶による法話

あるとか

 

精進料理は酢の物、煮物、お漬物、白米

村の料理名人たちが山菜を取り

数日前からだしを仕込んだ自慢料理

 

スーパーでは買えない絶妙の味加減に

仕上げてある

 

50人分は用意できる、大きな

鍋が数個必要だ

 

誰もが上手いと言う加減の味付けを

会得するのは場数をこなさなければ

出来ない

 

もしかしたら料理名人チームに私も

弟子入りする日が来るかもしない

村でも人材育成が必要

 

しかし、若い世代になると

そもそもお寺に出向く理由に

賛同しないと思う

 

親鸞聖人?、誰?宇宙人?

って感じになるでしょ

 

無駄な事に、時間もお金も使わない

そんな時代だ

 

昼飯が過ぎ、時間が来ると

門徒が本堂に集合した

 

いつもの作業服ではなく、それなりに

身ぎれいな洋服を着ているので

お寺は年寄りたちの社交場らしい

 

村の僧侶は、相変わらず着物の衿が

はだけ、マイクをつけているのに

 

お婆ちゃんたちから

「声が小さくて、聞こえん!」と

野次られている

 

我が家の名前が呼ばれました

 

親戚のお爺さんたちが

「前にでて焼香して」と

呼びにきます

 

母ちゃんが死んでしまい

ご縁が切れたと思っていたので

私はその気遣いが嬉しかった

 

村のために私が役に立つ事が

あるのかなとか考えたりする

 

法話の時間になった

村の僧侶は人格者ではない

修行中の身だ

 

でも、この隣村の僧侶なら

目から鱗的な良い事を話してくれる

かも・・!

 

そこんちの家族構成と結婚が遅かったため

我が子が小さい事

虐待で死んだ幼児が書き残したメモ

の話

 

それでおしまい

 

ザンネン、もう少し掘り起こしが

足りない

 

おまえも修行が足りないぞ

感動する話しないと

誰もブッキョウについて行かん

 

集中が途切れた私

本堂を見渡すと

ある張り紙が目に入る

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なんか良いんじゃない、これ

 

苦しいのは自分中心で回っているから・・

もう少しでこの文章が納得できそう

字体も好き

 

全てが終わると

村の僧侶が「終わりです、帰って下さい」

 

そんな挨拶あり?

お足元にお気をつけてとか

 

これからもよろしくお願いしますとか

言っても良いんじゃない?

 

偶然、大好きな先輩と本堂で遭遇した

そう言えば先輩、たしかこのお寺の

門徒だと昔、喋っていたのを思いだした

 

先輩の耳元で私はささやいた

私「正直、年金だけで生活できますか?」

 

先輩「できないよ、貯金おろして、

節約しないと、草刈りも自分でするよ」

 

私「そうかやっぱり、それはそうと

あの張り紙の文句が良いですね

意味なんですかね・・・」

 

先輩「僧侶に聞けば、説明してくれるよ」

 

 

無理だと思うな

あんな張り紙自体、貼ってある事

僧侶知らないと思う

 

村の僧侶、まだまだ修行中

腰も病んでて、日々の暮らしも

苦戦してるんだよ

 

 

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紫の花とお婆ちゃん

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私だけかな・・

運転中、対向車を見て楽しむ癖がある

 

形、色・・やっぱり外車かっこいいいわ

     金持ちだね

    

     オープンカー、何考えとーる

     日焼けするぞ

     急な雨振り、どうするんだろ

 

     トヨタが多いなぁ

     多数って安心だよね

 

     チビなのにでっかい車に乗ってる

     ブレーキに足、トドクンカイ!

 

     赤の車、熱い女だね

     シルバー、汚れめだたないのが

     良いよね

 

     黒、怖い感じ

     ぶつかりたくないねぇ

     

      

人物  あっ、〇〇さんだ

    仕事帰りかな

 

    頭ふって、歌ットール

 

    すごい、髭剃りしている

    どんだけ忙しいんだ

 

    今年の流行りは、この服か

 

    お爺さん、まだ運転しているのか

    うーーん、田舎だから仕方がないね

 

    夫婦でお出かけか

    うっとうしいね、旦那って

 

ナンバープレート(これが大好き

    0511、5月11日が誕生日だね

    3104、サトシ、名前かな

    5963、ご苦労さんってか

    3332、惜しい、もうちょっとだったね

       1、一番になりたいタイプだね

 

     ナンバーを暗記するためゴロ合わせに

     夢中だ

 

 

若い頃、私のこだわりは

女、軽に抜かれたら、絶対に抜き返すだった

 

一度だけ、どうしても追い越せない女がいた

 

運転席の窓から出ている着物の袖

和装の女に負けるか!

 

アクセルを踏み込むが

並ぶのがせいぜいで

 

しかもチラミすると

なんと白髪のお婆さんだった

 

その車は氷上をすべるように走り去り

見えなくなった

 

 

・・・今でも、あのお婆さんに会いたい

なんで着物きて、急いでいたの?

 

最近はもうスピードレースしないけど

考え事したり、周囲を見渡したりするのは

変わらない

 

老眼のため近くは見えないが

遠くの物体ははっきり見える

 

N村を通った時、沿道沿いの畑に

紫の花たちを見かける

 

通り過ぎて、反対側の路肩に車をとめる

花を見に行こう

 

午後4時、時間はたっぷりある

天気も良い

気持ちも軽い

 

今来た道を100m程歩いて戻る

 

畑にむぎわら帽をかぶったお婆ちゃんが

一人、たたずんでいた

 

勇気をだそう

 

道から、畑に降りる

「こんにちわ」

お婆ちゃんに声かける

 

お婆ちゃんは返事もせず

私を見ている

田舎モンはよそ者を警戒する

 

紫の花はマリモのように丸い

大きさはソフトボールほど

茎が異様に長い

 

私「綺麗ですね、写真とっても

良いですか?」

 

お婆ちゃんの口が動いた

「あぁ、いいよ」と

反応きた

 

私「これ、なんていう花ですか?」

花を数枚、角度を変え変え写真を

撮りながらお婆ちゃんに聞く

 

「なんていう名前か、知らん

あんた、花好きなんか?」

棒立ちだったお婆ちゃんが動く

 

「好き好き、でもこんなの見た事ない

花屋にも置いてないよね、これ」

 

地に足をつけて

お婆ちゃんと向あき合う

 

午後4時、お婆ちゃんも

たっぷり時間があるはずだ

 

私「これどうやって育ててるんですか?」

婆「どうって・・、勝手に咲いとる」

私「初めて見たわ、素敵ですね」

 

紫の花が気に入った

とてもキュート

嬉しくてたまらない

 

お婆ちゃんが近づいて来た

婆「球根を春に植えとる」

 

もう貰う気でいるから育て方を

聞きたい

私「球根はどうやって保管するんですか」

婆「納屋の中に置いとけ」

 

私「肥料は何使うんですか?」

婆「普通や」

 

お婆ちゃんが鎌で花の茎を切り出した

 

私はしめしめという顔はしない

できれば球根ごと、まるごと一本頂きたい

 

お婆ちゃん、4,5本花だけ切った

婆「ねぎ臭いやろ」

私「そうかな?、でも良い花ですね」

 

婆「あんたどこの村のモンや?」

素性を知らないと不安なのだ

 

私「〇〇村の〇〇です、N村に友達います」

友達の名前をお婆ちゃんにつげると

婆「そりゃ 私の姪や」

私「偶然ですね!」

 

お婆ちゃんが笑顔になる

お婆ちゃん、今度は球根だけを切り出した

 

いえいえ、お婆ちゃん、花と球根

つないだままで

欲しいのですけど・・・

 

婆「町の〇〇さんもたまに

ちょーだいって寄ってくるよ」

私「珍しい花ですよね」

 

婆「咲かしたままより

もらってくれるモンがいる方が

嬉しいね」

 

花4本、球根2本、まるごと一本を

抱えて車に戻る

 

やってみないと何も始まらない

チャンスをつくろう

勇気をだして

 

今度、いつ会えるかな

 

お婆ちゃんが好きそうな

お菓子を考える

 

運転しながら・・・

 

 

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「ハラスのいた日々」

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20年程前、聞きなれない声が

するので、窓を開けて外を見た

 

我が家の裏には海が広がっている

テトラポットに小さい生き物が

いた

 

近づいて見ると

仔犬だった

 

波しぶきで、仔犬は海に落ちた

 

助けなければならない

本能的な反射動作だった

テトラポットの上に降りた

 

一瞬、迷いがよぎった

「助ければ、育てなければならない

育てられるか?!」

 

動物なんて飼った事がない

興味もない・・・!

 

・・でも、ここは助けないと

死ぬよ、この仔犬

 

海に手を入れ、仔犬をつかんだ

 

フニャ,フニャして

骨の感触が気持ち悪い

どうやって抱えればいい?

 

手のひらに乗るような大きさ

何故か、一目散に風呂場に走り

洗った

 

ゴミを取ろうとしたのかな?

思い出せない

うろたえていた

 

母ちゃんが近づいて来て、小声で言う

 

「飼う気か・・・」

「飼うよ、仕方がない」

 

母ちゃんが畜生嫌いなのを

忘れていた

 

ポチと名付け、この仔犬にハマッタ

 

読む本が変わった

犬関係の書物ばかり探した

 

そういう時に出会った一冊

ハラスのいた日々

作者 中野孝次(ドイツ文学者、小説家他)

 

中野氏がひょんなことから

犬を飼う事になり、その仔犬の名が

ハラス

子供のいない中野夫妻がハラスと

過ごした13年間の記憶を文字に

変換した

 

新田次郎文学賞受賞

 

犬物語はたいがい、犬を擬人化した

稚拙な物が多い

 

「ハラスのいた日々」はさすが文学者

ハラスの動作を上手く描写している

読んでる側もその光景が見える

 

中野氏は犬飼い初心者だったのが

幸いしたのか丁寧にハラスとの日常を

綴っている

 

時代は50年前、日本の高度経済成長期

 

横浜に庭付き新居を建てた事で

妻の妹から「新築祝いに何が良い?」

問われ、「そうだね運動不足だから

散歩用に犬でも貰おうかな」

 

なにげに答えたらしい

そこからハラスとの出会いが始まる

 

数匹の赤ちゃんの中から、ハラスを選んだ経緯

 

ハラスをいよいよ親元から離し、自宅に連れて行く

時に車内で大暴れされた様子

 

食の細いハラスにエサを食べさせるのに

苦戦していた事

 

家に慣れたハラスが庭を走る可愛らしい仕草

 

散歩中に牛乳屋さんから牛乳パックを

くわえて帰宅したところ、大人達にウケタ

 

以後、買い物に出かけると、袋をくわえては

沿道の大人達から褒められるようになり

ハラスが得意げだった様子

 

中野氏はハラスを飼った当初は大学職員で

あったがすぐに自宅で執筆活動をするように

なった

 

仕事の区切りができると

ハラスが庭から「ワン」と吠える

 

散歩に出かけ、まだ山や崖がある所で

ハラスの駆け上がり、駆け下りるのを

見ながら

幸せの感情を知る

 

夫妻が出かけると、ハラスは

門戸のポストの上で、夫妻の帰宅を

待っていると近所の人から聞き

 

帰りをひたすら待つモノへの愛情を

覚える

 

この本は、随所、随所でハラスの

写真がのっているため

イメージしやすい形態になっている

 

ハラスが生まれた1972年頃、夫妻は

志賀高原に山小屋を持っていた

 

中野氏のスキー板に戯れるハラスの

写真、山で知リ合った犬たちと遊ぶ

ハラスの写真、元気そうだ

 

中野氏の交流関係者は著名人が多く

夫妻は知識人でそれなりに裕福らしい

海外旅行の折に買う土産はハラス様の首輪だ

 

食の細いハラスだったが

酒のつまみが好物らしく

中野氏の晩酌時にじりよってくるくだりは

爆笑だ

 

最大のクライマックス

友人に誘われて行った冬の志賀高原

ハラスが行方不明となる!

 

四日間にわたり知り合いの方達と

ハラスを捜索するが見つからない

 

悲嘆にくれる中野夫妻

ハラスの死を覚悟する

 

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新聞に載せる予定だったチラシ

 

その一文に

「死体となってもお知らせ下さればお礼を・・」

死体でもいいと・・・

 

もはや異種を超えた深い愛情

号泣

号泣

 

モノ言えぬ者への哀れみ

モノ言えぬ者だからこそ大事にして育てた

 

日常にいて当たり前の者を

失った事で、改めて知る深い愛情

 

 

最近、泣いていないなぁと言う方

犬興味ないわと言う方

 

これから飼おうと考え中の方

もちろん愛犬家の方がた

 

読んで欲しい!

 

価値のある本の紹介でした

 

 

 

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金と牛乳があれば、女は強い

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月に一度の村の生け花教室に参加して

一年たった

 

つい最近、流派が嵯峨我流だと

聞いた

聞いたけどすぐ忘れると思う

 

池坊みたいに知名度高くないから

 

生徒は61歳の私と

68歳のA子さん、B子さん、C子さん

この三人は同級生だと聞いている

 

A子さんは明るく、声が大きく

きさくな人柄だ

 

おっちょこちょいで花を切り落としたり

枝を折ったり、毎回、笑わせてくれる

 

生け花はその人を現すようで

A子さんの生ける花は大体間延びしている

 

B子さんは、村の坊さんの妻で

しっかり者だ

 

町のボランティアとか、お寺の掃除とか

門徒へのお知らせとか、愛犬の世話とか

大変多忙らしい

 

「ごめんね、住職、腰が痛くて

病院に連れて行かないとならなくて

花だけ貰いに来たの」

 

あー、あいつか、読経満足にできない

ヨレヨレ坊主か

あんな情けない男のどこが良いのか

 

B子さんは花代と月謝代、2000円

先生に渡し、すぐにお寺にもどった

先生は札を指でこすり確認している

 

C子さんは丸顔に丸鼻、出っ歯と

不細工な造形をしている

そしてだみ声

 

はっきり喋りきるから

物を言われたら、従わないと

怖い感じがする

 

意外に料理上手、多趣味だ

余り布で手作りした日よけ帽を

被って来た

 

畑仕事に農家のお婆ちゃんが

被る帽子に似ているけど

みんなで素敵と褒める

 

さらにC子さん、写経を習っており

完成したから、表具屋にだしたと

 

5メートルもあろうかという

長ーい作品を披露する

 

細かい文字がびっしり並んでおり

日光に照らすと、

 

南無阿弥陀が浮き彫りになる

皆でこれも凄いと歓声をあげる

 

顔に似合わず繊細に器用だわ

 

さらにさらに

たけのこご飯も作ったのと

サランラップで握ってあるのを

てさげかばんから取り出す

 

てさげも、きっと手作りだと思う

 

旦那の話も良くするから

夫婦仲も良さそう

は案外、可愛いのかもしれない

 

 

教える先生は82歳、膝が悪くて

外で歩く時は松葉づえを使っている

 

町でも生け花を教えており

バスに乗って一人で出かけるらしい

 

その歳で、その足でよく通えるね

金が手に入るとなると人はパワーがでる

 

教室に使う花も、花屋まで歩き

先生が選んでくるのだから

先生タフ

 

先生は未亡人で一人暮らしだ

息子さん達が実家にもどる事は

ないと言っている

 

そこを承知している様子も

強い人だなと感心する

 

世間の諸事情も良く知っている

お口も知識も生徒に負けない

輪になってお喋りする

 

化粧こそしていないが

毛染めした髪はきちんと束ねている

もちろん、先生もお家も小便臭くない

 

私は気が付いた

先生の家の玄関に宅配牛乳が4本置いてある

 

牛乳を飲むという嗜好、体に良い物を

好んで食べる習慣がきっとある

 

そして、札を指で確認する動作

金が好きな人だ

 

いくつになっても稼ぐ技を持っているのは

得だね

 

生け花が終われば、次はお茶する

お茶は抹茶色で

まったりして、美味しい

香りが良い

 

お茶の美味しさを私は、ここで知った

 

私「本当にここのお茶は美味い

どこのお茶ですか」

 

先生「そこらのスーパーじゃ買えないね

贔屓の所から送ってもらっているの

深蒸し美味いよ」

 

 

あと20年後の私、宅配の電話できるかな?

お茶むせないで飲めるかな?

 

バス停まで歩けるかな?

札を数えるのに必要な指の動きできるかな?

 

牛乳飲む習慣はない

金を寄せる術もない

 

待ち受けているのは貧困と孤立か

先生のように強く生きれないと思う

 

 

セカンドライフ始まったばかりよ

来月からナイターソフトするよ

 

楽しみましょ

 

 

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鑑定やいかに

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私はお金が好きだ

 

おばぁちゃんと銀行ごっこをしていた

6歳の私が銀行屋さん

おばぁちゃんが客

 

おばぁちゃんが言う「五円貨して下さい」

私「いいけど10円で返して下さいね」

おばぁちゃんが笑う「分かりました」

 

我が家の跡取り娘であったおばぁちゃんは

婿のおじいちゃんより偉い

 

私から借りたお金を倍返しするのは

どうってことなかったんだろう

 

埼玉に嫁いだ妹宅を訪ねる時、お伴に

私を連れて行ってくれた

 

デパートで、初めてドーナッツの製造を

見て驚いた事を私は今も忘れない

 

話がそれた、戻ろう

 

昔、のんきな時代

旅人がこんな田舎を訪れ

 

見ず知らずの家に入り込み

泊めてくれという事があったらしい

 

田舎モンは得体の知れないよそ者を

警戒する

 

・・・はずだが我が家には

旅人がお礼に描いていったという

水彩画が床の間に飾ってある

 

ロマンチック

 

きっと囲炉裏を囲んで

都会(埼玉かも)の話とか聞き

飯をだし、寝床を用意したんだろう

 

おおらかだね

 

旅人は何泊したのかな

旅できる体力があり、他人の家に上がり込み

色紙や絵道具を持っていたという事から

 

駆け出しの絵描きか?

話し上手な人懐っこい詐欺師か?

 

盗人かもしれない、物色したけど

「ナンモナイヤン」って

 

 

何故、絵がすてられず

床の間に飾ってあったのか

 

どのご先祖さまの

仕業か

 

両親が亡くなった今となっては

 

 

さぁ、鑑定よ

骨董屋に持って行くかどうか

 

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①名前と印があるわね

「高司」と呼ぶのかな

 

検索しても見当たらない

 

偉くなって名前を変える事も

あるからね

 

 

②牡丹と小枝にとまるスズメ?

 

 

③ありえない位置関係

この小枝、低くない?

または、牡丹高すぎ?

 

 

④枝の先端に止まっているのか

スズメ

 

だらしないうすい体

肉の丸みがないね

 

目玉一個だけ?

 

笑ってる?

 

飛び立ちそうな生き生き感がないね

 

 

⑤牡丹なら咲くのは5月

牡丹ならいくつもの花が咲き

葉っぱも生い茂るけど

 

葉っぱ切ってしまった?

葉っぱの色、同じ緑

葉脈描くのはしょった?

 

牡丹一つだけ・・?

 

過保護なのかな藁のカバー

5月は雪は降らないよ

 

 

高司さん

デッサンの勉強不足だよ

現実をちゃんと見なさいよ

雑!

 

 

鑑定終了

これは迷作だ

 

田舎モンだましやがったな

 

 

 

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メルカリ初出品で赤字、でも楽しかった

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棚からボタモチ、好きな言葉です

 

「こずかい稼ぎ」良い響きですね

 

道に小銭が落ちていれば

躊躇なくしゃがみます

お金嫌いじゃありません

 

以前から気になっていた

メルカリ

 

やってみたいな

面白そうだ

 

ちょっと怖い気もする

 

でも、やらないと何も始まらない

不安より好奇心がまさる

 

ビビリながら

初めての体験に胸踊らす

 

私、機械音痴ですが

スマホいじりまわすと

何とかなるんですね

 

① 本人情報の登録をする

大丈夫かな、個人情報公開ですよね

たいした人材じゃないから良いか

 

出品する

蔵で見つけた、価値なしと骨董屋に

言われた「朱色ご膳」を出してみる

売値2000円(送料出品者負担)

 

商品説明で私はちょっとウソをついた

 

茶碗が微妙に一部欠けていたり

はげていたりしている

それを「多少、傷よごれあり」とした

 

多少に誤りがあるかどうかは

私ではなく、購入者が最終的に判断される

 

本当に売れると思ってなかったんだ

その時点では・・

 

なにせ初めての世界で浮かれていたんだね

 

 

梱包グッズの準備

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こんな事やってみたかった

 

私らしいセンスで品を包む

メッセージカードそえて

 

良いんじゃない

楽しそう!

 

隣町にある100円ショップに車で出かける

 

前方見て運転していたけど

頭の中はイッチャッテル

梱包グッズの事でいっぱい

 

スピード違反の取り締まりがあり

しまった!

誘導されたのは私の前の軽自動車

 

私もかな?・・

恐る恐るその場を通る

 

見せしめなのか軽自動車だけで

警官は許してくれたみたい

 

心臓の鼓動が激しい

そして道を間違えていることに

気づく

 

ナビを開始する

 

山道を走り、畑道を走り

気が付けば、ガソリンがない

 

途端に便意が来た

私は緊張するとウンコがでる体質

 

ガソリン不足、今にも出そうな排泄物

山の中で迷子

大ピンチ!

 

運良く、公園を見つける

ナビが左、そこ右とか言ってるけど

 

それどころじゃない

肛門を締めながら走る

 

隣町の100円ショップに到着

 

リボンとか包装紙とかクッションとか

見ているだけで楽しい

 

段ボールが見当たらない

置いてないらしい

 

スーパーに積み上げてある、野菜などの

段ボールでも良いか、いえ、それでは

私のセンスが・・・

 

 

注文が入る、トラブル発生

スマホにお知らせがはいる

驚く私

 

「二つ欲しいので取り置きお願いします」

初仕事だ、嬉しい!

 

メルカリからお知らせがはいる

〇〇さんが購入しました、発送してください

 

一番めの方と違う、別の方が購入したらしい

 

その別の方、取りあえず一つ欲しい

あとで10送って下さいとコメントがきた

 

無理、無理初心者なんで同時にさばけない

 

「別の方と取り引き中だからお受けできない」と

キャンセルの旨、メルカリにメールすると

出品画像に「公開停止中」と貼られる

 

どういう意味これ?

私は事前調査、予習するタイプじゃない

事後にちょっと考えるタイプ

 

ご膳は2000円、取り置きして下さいと

言われたけど、それくらいお金ないの?

いきなり購入した方とグルなんじゃない?

 

見ず知らずの相手に不安が増す

 

「公開停止中」だと不審がられるのでは?

悪い頭を回転させながらオビエル

 

前に進もう

 

出品の画面から「公開停止中」を

解除する

 

すると、購入されました、発送して

下さいとメルカリよりお知らせが入る

 

事前に購入したい旨のコメント欲しいなぁ

いきなり購入って、こんなもんなの?

 

相手の方にメールする

「多少の傷よごれあり」大丈夫ですか?

「大丈夫です」と返信あり

 

梱包と発送

注文はご膳一人前

 

不安だ、ご膳、中古品だ

相手の方が状態が悪い、商品説明と

違うと激怒したらどうしよう

 

取りあえず、買ってきたグッズで

梱包する

 

割れないようにプチプチを多めに使う

泣きたいわ

 

売値より梱包にお金かかる

甘かった

 

いえいえ、それより相手の方に

申し訳ない

 

こんな商品使ってもらえるかしら?

感謝のお手紙をそえる

 

段ボールは宅急便で用意してもらった

ご膳は30㎝正方形なので

大きな段ボール購入、320円

 

配達料は出品者負担だから

梱包グッズにお金もかかったから

完全に赤字

 

でもでも割れないで無事に届けば

それでいい

 

何より相手の方の評価が怖い

「悪い」とコメントされたらどうしよう

 

翌日、相手の方からの評価を待った

久々に嫌な緊張感

 

結果は「良い」だった

ありがとうございます

 

手紙が功を奏したかな

良い経験をした

 

梱包代をバカにしてはいけない

材料はスーパーの物置き場で物色しよう

 

配達料も計算に入れて

売値をつけよう

 

メルカリ出品初心者の経験談でした

 

 

あぁ、楽しかった

 

 

 

 

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