メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

見送る者の心得と準備

f:id:s-dai101030:20171129181314j:plain                                       

母ちゃんが膵臓癌と診断されてから、今日で12日経った。

 

痛み止めを注射されているのか最近は眠っていることが多い。

お喋りが大好きだった人が、呼んでも起きない。

 

鼻の肉が落ちて、癌患者特有の顔つきになってきた。

 

顎に白っぽい物が付いているから、朝は食事したのかもしれない。

ショートカットの頭を触ると、少し熱い。

熱がでているのかもしれない。

 

見た目で状態を憶測する。

 

眠っているから、来てもやる事がない。

この前は手足の曲げ伸ばししたけど。 

(関節拘縮予防のリハビリお願してみよう) 

 

布団まくったり、点滴のメニューを見たり、家族がウロウロしていると

看護師さん達に悪い気がする。

 

20分くらいで帰ろうとしたら、姉が来た。

 

「顔黄色くなった」

「あれ、手はれている」

「頭汚れてきたね」

二人で確認した。

 

一日一日、枯れていく様子を、見ていくことが家族の務めかな。

 

いつくるかわからない急変。

携帯は側に置く

遠くに出かけない。

 

今は、母ちゃんが置いて行った様々なものを整理している。

服は、着る事がないけど全部箪笥に仕舞った。

カバン類は中を確認しバスケットに仕舞った。

 

日記帳は私の部屋に仕舞った。

(何が書いてあるか読んでいない。母ちゃんのことだから悪口書いて

あるかもしれない)

 

入れ歯が出てきた。

 

これは大切に保管するため、私の部屋の時計の横に置いた。

入れ歯は死化粧の時に必要だ。

入れ歯をすると生前の顔に戻る。

ないからといって、レンタルできるものではない。

 

母ちゃんは歯が弱くて、歯肉が痩せていた。

入れ歯を作っても、どれも合わないとか言って

食事以外の時ははずしていた。

客が来ると、慌てて入れ歯をいれていた。

 

母ちゃんには内緒だけど、愛犬がくわえて部屋まで見せにきていた事がある。

 

世界にたった一つの入れ歯、無くしたら大変。

急変時には、入れ歯を忘れずに持って行かないと。

 

通夜などに来る客人のため炬燵を買ったが、今日は布団を

買いにニトリに行く予定だ。

 

看取りとニトリミトリとニトリ。(シミ取り・・・・)

 

母ちゃんが入所していた施設に伺い、退所の挨拶と私物を片付け

に行く。

 

受付の男子スタッフに「〇〇の家族です。手続きとかありますか?」と

訪ねた。見慣れない顔だった。

 

「ワタシ、アタラシイ、ワカラナイ」(・・・って聞こえた)

にーはお。

 

女性スタッフが応対してくれた。

「今までありがとうございました。」菓子箱を差し出す。

「それ、ダメなんです。絶対、受け取れません、お気持ちだけで」

「クリスマスプレゼント、早めのボーナスって事にして、食べて・・」

師長がやって来た。

丁寧にお断りされた。

 「お母さん、具合どうですか?」

尋ねられると、一瞬、胸が詰まる。

「あまり、良くないです」泣きたいのをこらえる。

 

あらかじめ私物まとめてあったのか、別のスタッフが荷物を持ってきた。

テレビもある。

これは、次姉に渡す予定だ。

 

この施設には、もう戻れない事が悲しい。

 

母ちゃんの痕跡を一つ一つ消していく作業が続く。

 

 

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ