メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

紫のキャリーバック<キャラ形成編>吉田輝星君

 

 

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輝星くんちには、いつも誰かが遊びに来ている

 

親戚だったり、ご近所さんだったり

父さんの野球仲間だったり

 

小さい頃からわちゃわちゃに慣れているので

輝星くんは群れでつるんでいないと

落ち着かなくなる

輪の中心にいることを好む子になった

 

家族に溺愛されて育ったので

少々、オレ様傾向がある

 

俺を見ろ、俺のいう事を聞け、俺が一番だ

 

もとから頭の良い子なので

要領良く立ちまわる

 

自己顕示欲が強く

負けん気は誰よりも強い

 

小学校3年生にして

家族を支配する

 

「母さん、愛しているよ、プリンだして」

「自分で取って来ればいいでしょ」

母さんは輝星くんの五つ下の弟の世話におわれ

かまってくれない

 

「ばあちゃん、愛してるよ、プリン持って来て」

「あいよ、チョコバナナもかい?」

 

「じいちゃん、テレビのリモコンとって」

「どれ、何が見たいんじゃ」

 

年寄りを動かして、自分は寝そべり

録画のM-1グランプリを見る

お笑いが大好きだ

 

明日、タク君をどうやって笑わそうか

思案に暮れる

 何事もてっぺんをめざす

 

「輝星、外でるか、キャッチボールするぞ」

起き上がり、慌てて父さんの後ろを追いかける

 

父さんに誘われて始めたキャッチボールが

痛快に楽しい

 

グラブにボールが入り込む音にシビレル

父さんのグラブめがけて投げるんだけど

届かないのがくやしい

 

いつか思い通りに球を操れたらなと

熱中してしまう

 

父さんが仕事で相手してくれない日は

隣家の塀で投球練習をする

 

スポーツ少年団「天王 ヴィクトーズ」に入り

本格的に野球に取り込むようになった

 

ーーーー

 

「輝星、腕だけで投げたら肩こわすぞ

身体全体使うんだ、下半身を鍛えろ」

 

父さんのアドバイスを受け、ランニングに

力を入れるようになった

 

ただ犬や夜道は苦手なので、じいちゃんが後ろから

自転車でついてまわる

 

じいちゃんは晩酌してゆっくり過ごしたいのだけど

ばあちゃんに叱られるので仕方なしに付きあっている

 

 

じいちゃんが風呂に入っていると

輝星が顔をのぞかせる

唇になぜかケチャップをたっぷり塗っている

 

「じいちゃん、俺、野球でてっぺん取りに行くワ」

孫と同じく息子もこんな事言ってたなと爺さんは思った

 

輝星がしゃがみ、じいちゃんの背中を洗い始める

 

「甲子園にでて優勝するから」

「でっかい夢やな」

「まじ本気」

 

洗い流した背中にチューをして

笑顔で立ち去る輝星

 

「志は高いけど、お前、そのイタズラ癖どうにかせぇ!」

風呂場からじいさんの声が聞こえる

 

 

 

数年後、本当に甲子園に出場し

衝撃と感動を人々に与えるなんて

じいちゃんは想像もしていなかった

 

 

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  そして

輝星が動くと

億単位の金が動く

 

そんな日が来るなんて

誰も知らなかった今年の夏

 

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