多肉さん達のお喋り
縁側にある多肉タワーマンション
レインボー「皆さま、ごきげんよう」
シャンペーン「あらあら、いつもお綺麗で」
ラブリーローズ「私の噂話してました?」
レインボー、シャンペーン「相変わらず勘違いしているわね」
レーマニー「新しい住人が挨拶に来るらしいぞ」
レインボー、シャンペーン、ラブリーローズ「私たちより美しいのかしら」
「こんにちは、引っ越しのご挨拶にまいりました」
「大きいのは花うららです、隣は子持ち蓮華です、お前帽子取れよ、
横の赤いのは・・・誰だっけ?、下はレズリーと不気味なサルコスです。
よろしくお願いします。」
「どこから来たの?俺らメルカリ出身だよ」
「私たち、ネットじゃ超人気なのよ」
「さびれた園芸店から来ました。
ひとつ380円で売られていました。」
「どこが良くて買われたのかしら」
11月に紅葉するかもしれないとか、
可愛いとか、将来性とかって言ってましたよ。」
「あんたたち、雑草と間違われて捨てられないように
気をつけなさいよ」
「タワーマンションに住めるのは高価なモノだけよ、
姿かたちの美しさや希少価値があるモノだけ、あんたたち普通じゃん」
「私たちの強味は繁殖力です!」
「馬鹿だね、数が増えれば存在価値が下がるんだよ
俺なんて育成困難だからマニアの間じゃ垂涎モノだよ」
「簡単に増えるモノは下町に行くのよ」
ーーー多肉の下町(雨ざらしの意味、実験場とも言う)ーーーーーー
グリーンネックレス「最初の頃は
好き好きって大切にされたけど今じゃ厄介モノ扱いだわ」
ーーーー
「タワーマンションはいつも管理人が見張っててキツイけど、
安定性があると判断されたら快適な別荘に移るのよ」
ーー海に面した陽当たりが良く風通りの良い別荘ーーー
多肉ベビー室は別荘の一角、最も安心安全な場所にある
人間世界と同様、多肉の世界でもベビーは宝物
ーーー
「多肉は日が当たらないと紅葉しないの」
「俺も別荘に行きたいな」
「ダメよ、潮風が当たるのよ、
枯れるかもしれないよ、管理人は検証中なんだよ」
「ところであんたたちどんな土に入ってるの?」
「管理人手作りの土でーす」
「私たちはお店で売っている多肉専用土に入ってるの」
「管理人は貴重品には高価な土を使うのよ」
「鉢でも差別してるのよ」
「どうでもいいモノは安いビニールポットを使い
貴重であれば素焼きや高価な鉢を使う傾向があるな」
「私たちプラスチック鉢に入ってます。」
「まぁまぁってとこかな」
「別荘のフェリナセ錦さんが一番高い鉢を使ってるわね」
↓
「ネットで購入したんだって、管理人は当時は園芸ど素人で
鉢の売り場も知らなかったんだから」
ーーー
「ところで後ろでウロウロしている子たちは何?」
「僕たちですか?」
「タワーマンションは住民以外は立ち入り禁止よ」
「ビニールポットの来る所じゃないのよ」
「僕たちは貴方たちのオマケについていたちび多肉です。
大きくなったら万人うけする姿かたちとこれから紅葉する可能性があることから
管理人が再評価してくれ
タワーマンションでケアを受けた後、別荘に移動する予定です。」