メタボンの行きあたりばったり

昨年定年退職しましたメタボンです。毒を吐きます。

殺してくれと言われました。💦

 

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17時30分。

母ちゃんが入所している施設に到着。

小走りする、夕食の時間だ。

 

受付のオジサンに挨拶する。

急げ、急げ。

 

部屋に入ると、職員の方が夕食介助している。

「代わります、ありがとう」

「そうですか、お願いします」

 

母ちゃんの食事介助は大変だ。

ゴックンと飲み込むまでに時間がかかるから。

 

限られた時間に職員さんはやることがいっぱいある。

 

母ちゃんの具合はひとめで分かる。

 

半開きの目。

窪んだ眼窩。

首が傾き、体がくずれている。

口はへの字。

鼻の頭にできていた、発疹がまだ消えていない。

額に触る。

熱はないようだ。

 

「誰か分かる?」

ゆっくりした口調で「〇〇ちゃん」と答える、声がか細い。

 

スプーンでお粥を少量すくい、口に運ぶ。

粘り気があるから飲み込みに力がいる。

なかなかゴックンしない。

口の中にもっている。

「はい、ゴックン」と声かける。

何度もモグモグし、かろうじて飲み込む。

 

粘った口内を洗浄するため、とろみ水を口に入れる。

これも今までにないくらい、飲み込みに時間がかかる。

顎をのけぞらしている。

食塊が流れていくのが、首を見ていると、分かる。

 

すぐに目を閉じる。

 

ミキサー食にしては、珍しく、四角い卵豆腐がある。

この形態は飲み込みやすい。

 

「はい、美味しい卵!」

声かけ、口にスプーンをくっつけると

目を開け、口を開ける。

その瞬間にスプーンを入れる。

でも、これも難儀して飲み込んでいる。

 

「目、開かん」

「どうして?」

「わからん」

「桃もってきたけど食べる?」

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小さい頭が上下する。

 

桃ゼリーは桃の臭いがして美味い。

小さいけど、80KcaLあるので購入している。

 

いつもなら「美味しい」と言って

催促するように、口を開けて待っているのに

今日は、苦戦した。

 

お喋りをすると気分転換になるので

今日、姉が着たことを話す。

 

フーンって感じで口をとがらす。

 

手を触り、肩を揉み、首を撫でると

気持ちよさげに目を閉じる。

(さぁ、食べるぞ)

意気込む。

 

「殺してくれ」か細い声で母ちゃんが言う。

 

(そうきたか・・・出来んって、さすがに)

 

食事は一向に減らない。

 

「死にたい」

(はいはい、いつものセリフね)

 

姉の言葉を思い出す。

「最近はいつも目をじているね」って言っていた。

 

(確かに、そうかも。弱ってきたけど、本当に

危ないかも・・・・)

 

お粥を半分残して何とか食事終了。

 

(次、スキンシップ)

 

「はーい、両手バンザイ」

嫌々付き合ってるっている様に、右手を挙げる。

右の手のひらに青い斑点が散在している。

手をつかんで、よく見ると、毛細血管だ。

 

(毛細血管がちぎれている)

 

右手首に内出血がある。

おそらく、採血した跡かと予想。

 

今度は左手を見る。

同じように手のひらに青い斑点がある。

 

爪の色も血色が良くない。

両手とも冷たい。

 

「腹痛い・・」

「どっち?」

「左・・」

膵臓かな?、ずっと痛いって言っている)

 

眉間にしわを寄せて目を閉じている。

 

死ぬ時まで辛い思いをするのは可哀想だ。

(明日、先生に相談してみようかな・・・・)

 

数回、握手して「また来るね」って部屋をでた。

 

 

母ちゃんはどちらかと言えば過敏なタイプ。

自覚症状を大袈裟に騒ぐタイプ。

 

元気だった頃は、日に何回も血圧を測り、メモし

仕事から疲れて帰る私を待ちかまえ

本日の体調報告を長々と喋った。

 

お喋りさんだった。

 

電話魔で東京に住む兄弟にも度々電話し、ご近所では

勝気な人と噂されている。

 

そんな人が喋らなくなり、腹が痛いと言う。

 

延命は望まないが、本当に痛いのであれば

鎮痛剤を処方してもらって、経過をみようか。

 

病院じゃないから、事は進みにくいかな。

 

明日、先生に相談しよう。

今日はもう、寝る。