金は山にある
家は山を持っている。 昔は、山の木を売って暮らせるという良い時代があったらしいが
今は木の需要が減り、山を維持するのは困難。
木が成長していくためには、草刈り、枝打ち、間引きといったお世話が必要。一人前になるのに数十年かかる。
子供は喋って親に伝えることができるけど、木は病気にかかっていても
話せない。主人が気が付いてあげないと枯れてしまう。
ご先祖様から託された山を、父ちゃんが丹精込めて山を守っていた。
山の管理を私達子供に引き継ぎする前に父ちゃんは早く逝ってしまった。
で、私達は安かろうが木を売っぱらってしまうことにした。
で、本日は木をきりだし市に出す作業をしてくれる方と現場で落ち合うこととなった。
険しい山道を走る。
斜面をこけそうになりながら
登り続け
川や石、小枝、葉っぱに足をとられないようにして私達は進む。金のために。
作業員の方と対面。
どの木を切るのか、段取りや、何日かかりそうだとか聞いた。
(素人だと思ってなめんなよ・・・って雰囲気をただよわせ・・)
そしてこけそうになりながら
山を下りた。
市場に出せば幾らかは、金が入る。金は山分けする決まり。
父ちゃん、私達こんな感じで生きてます。
人に言えない怖い話
体重は微妙に増えている。
暑くて動かなくなったせいだ。断捨離は中断したまま。
家に閉じこもりクーラーかけるから食事は普通に摂れる。
田舎のお葬式は大変だ。
家からだしてあげようという
優しい風習があるからだ。葬儀委員長がいて皆に役割分担が振り分けられる。どの程度の親戚か、役割かによって仕事を休まなければならない。
イベント会場作りのため家じゅうの戸をはずしたり、荷物を運び出したり
電話の応対、接客、車の誘導などは村の父ちゃん達。
遺族は台所に入るのを禁じられる。そのかわり母ちゃん軍団がまかないを一手に引き受ける。
遺族の朝、昼、夕の食事、客人にだす食事、火葬場で食べる食事、朝から晩まで作業は続く。
慣れない女子は皿洗いや買い物をする。
暗黙の了解があり、煮しめの味付けはA母ちゃん、酢の物担当はB母ちゃん、お重に並べるのはC母ちゃんなどとお決まり事がある。気のはる作業だ。
問題がでると村の長寿にお伺いをたてる。
家は今回、通夜にお菓子配りの指示があり家人が行った。
翌日のお葬式には私が行くことにした。
・・・が当日、まさかの緊急事態発生。
喪服がはいらない。
腹が邪魔してストッキングがはいらない。
夕べ、お通夜から帰ってきた家人が言ってた。「人がたくさんいて暑かった」って。
情けないが行かないことにした。不義理の理由が肥満にあったことを
人には言えない。あまりにも滑稽すぎる。
見積り無料物語
廊下の板が傷んだため、見積りオーディションを続けてはや3週間。
お手並みさえ良ければ家の数々のプチリフォームを予定している。
センスと確かな技術さえあればすぐに着工してほしい。
オーディションは面接と見積書。
これっていう決めてがないまま、疲れた私は
廊下のフローリングだけ4番目の奥ゆかしい人に依頼しようと
決めた。
紹介してくれた人が「元は配管工だったが、とりあえず丁寧な仕事をする」と行った言葉を信じて。
紹介してくれた人に「その人がこの家をたてたんですか?」って聞いたら「いや、他の大工や」って言っていたがそこは忘れよう。
たかが5畳たらずの廊下、フローリングするくらいたいした違いはないやろ。
朝、村の人から電話があった。
「決まったんで、ありがとう」と言い電話をきった。
ポストに3番目の人からのお便りが入っている。
2級建築士、インテリアアドザイザーって名刺を置いて
いった奴。
オーディションでは期待できる言動があり、私は「もうここでいいっす」と思っていたが。
12日すぎても音信不通だった奴だ。
茶の間の戸が二枚傷んでいてそれも新たに作ってと依頼していたが、一枚10万て。どんなん作る気や!
気を取り直して奥ゆかしい人と会う。
フローリングに使われる木材って一長一短だ。
値段が高ければ良いってもんじゃない。
私は使用する木材の手入れについて聞いた。
とたんに落ち着きがなくやたら本をめくり始める。
着工者が扱う材料の説明ができないってどんなん!?
「検討しますね」と席をたち足取りも重く帰路につく。
疲れた。
しばらく休もう。
今日まなんだ事
買い出しの日。
スーパーに行く途中でガソリンスタンドに寄った。
ここは、従業員が数人いる。
みんな、無口。売り上げを伸ばそうとする姿勢がない。
うざくないところが私は好きだ。
向こうも私がしゃべるタイプでないと感じるのか
淡々を事を済ませる。
近頃は駐車すると勝手に満タンにされる。
さすがに驚いたけど。
今日の係は愛想が良かった。
ガラス越しに「満タンですか?」って聞かれた。
無口な私も聞いてみた。「ガソリンって一リットルいくら?」「127円
です。税込みです」。
私は出る時に渡されたレシートを財布に入れた。(いつもならゴミ袋に捨てている)
家でレシートを見た。48×118、外税¥453、¥6117
なるほど、118円に消費税かけると127円になるんだ。
知らんかった。少し、まなんだぞ。
ちなみに私の車って、勝手に走るのよ。「シートベルトしておくんなさい、アッシは急ぎますので」って感じ。
だから〇〇〇山街道で警察に多額のお金をお支払いしている。
一回は免停になったほど。
いつものスーパーでは小袋のしめじが売っていない。
大袋ならあるけど、多すぎるなって・・・「358円?」しめじなのに?
気が付かなったわ。しめじって高いね。買おうか迷って
始めて値段って見たよ。
しめじって軽いくせに高いってまなんだ。
作戦失敗
客いがいない日、茶の間大好きな大ちゃんと過ごす。
大ちゃんはところかまわずおしっこする。
やられそうなポイントにペットシートを引く。
おしっこの臭いがついたのも準備した。
大ちゃんを監視しながら今日は文学に挑む。
知性、感性は衰えてはいけない。
チョイスしたのは書店の店員さんが一押しする作品で、賞もとった。
開くと漢字が半分以上ある。
ページ数507枚、定価1800円。
ピアニスト達の物語。
大ちゃんは玄関で吠え、水を飲みに戻り、また玄関で吠える。
「ワンワン」と吠え、「ム~~」唸り声を上げる間に「ホッ」と言う
音を発する。
あれは息継ぎかな?
文学は難しい。ストーリーがこんがらがらないよう集中が必要。
私の頭じゃ思いつかない言葉、表現があふれている。
文学は疲れる。
昼飯のため台所に行くと・・椅子のうしろにおしっこ。
いつの間にしたのかな。
再び文学にもどる。 こりゃ下調べが大変だっただろうな、
登場人物は作者の知っているめ誰かを真似たのかな、壮大なストーリの展開、辻褄を合わせるの大変だろーなー・・なんて余計な事を考え始めたため休憩をとることにした。
自室に戻ると空気洗浄機の後ろにうんこがある。
大ちゃんは玄関と茶の間の往復の最中なんだけど。
冷蔵庫からキューイをだして、皮むいて、茶の間に戻ると
テーブルの下におしっこがある。
しまった、ここも好きなポイント、シート
引くの忘れてた。
私の監視の目をくぐり、用意してあったペットシートを避け、しかも
どんだけ出すんや。
作戦失敗。
文学は97ページで中断した。
出るもの全部だしてこようか、大ちゃん。
集落から離れた高い場所に家の畑がある。
野草を摘みながら散歩した。
帰ってから飾ってみました。
無料です。
無料見積り、4番目の人
廊下の板がこんなのになってはや23日。
無料見積りをまだ続けている。
(3番目の人は音信不通。いつまで計算してるんだ!、どこ行ってるんだ!夏休みか!)
本日は4番目の人が来る予定。
元は配管工だったが、とにかく丁寧な仕事をすると聞いた。
1時まで待ったが来ない。
のんびりか!
1時半ごろ到着。
たたずまいがおくゆかしい。
誠実な感じ。
場所へ案内する。
板をはずしてのぞいてみたり
飛んでみたりしている。
いろんな人を見てきたなってオモイデにふける。
4番目の人はおくゆかしく私に床の修繕方法を説明してくれる。台所の戸はガラスだけ交換することもできるって。
修繕策が人によって違う、どれが正解なんやろ。決めれんわ。
家は至る所が傷んでいる。今後、プチリフォームする予定。
できれば和モダン。分相応に。
色や形を見極めるセンスも必要だし、適当に積極性を持ってアドバイス
して欲しいし、きちんと建てて欲しいし・・・・。
確かな専門家ってどこにおるん?
なんか疲れた。